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2025年8月分の工作機械受注額速報

  • 執筆者の写真: Frontier Valuation
    Frontier Valuation
  • 9月10日
  • 読了時間: 4分

更新日:10月9日

※最新の動向については下段リンクからご覧下さい


【工作機械受注速報に関する記事】

  2025年7月 2025年8月 2025年9月  一般社団法人日本工作機械工業会が、2025年9月9日に、2025年8月分の工作機械受注額速報を発表した。

2023年4月~2025年1月工作機械受注額の推移
2023年11月~2025年8月工作機械受注額の推移

 2025年8月の受注速報によると、受注総額は119,719百万円で、前月比93.3%、対前年同月比では108.1%となり、2か月連続で前年同月比を上回った。月間受注額1,000億円の目安も引き続き超えている。

地域別では、内需は31,730百万円(前月比89.5%)で、外需は87,989百万円(前月比94.7%)となった。対前年同月比では、内需が98.6%、外需が112.0%となっている。

また、2025年累計では、受注総額は1,025,616百万円で前年同期比105.2%、内需は289,467百万円(前年同期比99.0%)、外需は736,149百万円(前年同期比107.9%)となっている。

 日本では内需が軟化する一方、外需が堅調であり、全体としては底堅い動きが続いていると評価できる。外需が堅調で国内の設備更新・半導体・航空の案件が一部押し上げるが、自動車分野の回復の遅れがやや足を引っ張る形になりそうだ。 

工作機械受注額のうち内需の受注額推移
工作機械受注額のうち内需の受注額推移

 内需ではここのところ300億円台の受注額で推移しており、四半期末に400億円を超える受注額となっている。  ここのところ、特にSNSなどでは”反グローバル”花盛りである。日本の製造業も中国の技術的な追い上げや、破壊的な設備投資による大量供給で国際市場価格が下落し劣勢を強いられている。最近では電気自動車の普及で日本が特に強みを持ってきた自動車産業の行く末が危ぶまれている。縁の下の力持ち的な役回りであるため一般的な注目度はさほど高くないが工作機械も製造業においては特に重要なポジションを占める。  国際的な競争力も高く、最近ではこの分野でも安い製品で攻勢をかけているが、特に精度が求められるこの世界では高品質な日本メーカーの製品への支持は根強く、ドイツと並んでトップを走っている状況である。  世界各国からの引き合いも多く、概ね国内需要のシェアは25~30%程度と、外需のシェアが大きく上回っている。しかも外需のシェアは徐々に拡大する方向にある。

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 工作機械はマザーマシンともいわれ、製造業の礎ともなるものである。この世界で日本がリードし続けることは国際競争においては重要であり、もう少し評価されてもいいように思う。

 一方で、内需が弱含みである傾向は、日本の製造業が新しい技術に対し保守的であることも影響していると主張する人もいる。人口減少の縮小経済の中では思い切った設備投資にはなかなか踏み切れないものであるが、せっかく日本のメーカーが優秀な工作機械を生み出してもそれを活用するのは海外メーカーというのも少々残念な話である。  日本のみならず世界各国も世論は内向きな方向に向かいつつあるが、クロスボーダー市場なしで経済は考えられないのが現実である。

【工作機械受注速報に関する記事】

【出典】

© 2023 フロンティア資産評価研究会 - Wix.com で作成されたホームページです。

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