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【工作機械受注速報に関する記事】
一般社団法人日本工作機械工業会が、2024年12月10日に、2024年11月分の工作機械受注額速報を発表した。
2024年11月の受注速報によると、受注総額は119,336百万円で、前月比97.4%、対前年同月比では103.0%となり、前年同月比を上回った。
地域別では、内需は34,326百万円(前月比102.6%)で、外需は85,010百万円(前月比102.2%)となっている。対前年同月比では内需が105.0%、外需が102.2%であった。
2024年累計では、受注総額は1,342,024百万円で前年同期比98.7%、内需は401,613百万円(前年同期比91.6%)、外需は940,411百万円(前年同期比102.1%)となっている。
2024年10月分の受注確報は11月27日に公表されている。 今月も輸送用機械向けが好調だった。金属製品向けは前年比62.4%、精密機械は前年比78.6%の増加となった。地域別ではアジア向けで大型受注があった影響でインド、ベトナム向けが対前年比で300%越えとなっている。インド向けは9,712百万円でEU全域向けの10,590百万円に近い水準になってきており、存在感が増している。北米、中南米、欧州は厳しい状況が続いている。 9月に比べ一服感があるが、引き続き下降要素の方が強いと思われる。 今月は金型のデータを時系列的に検討する。 毎月の受注確報統計のデータを抽出したものに6か月ごとの移動平均曲線を加えたグラフである。受注統計の数字は毎月ある程度ぶれが生じるため、全体的な傾向を知るためには移動平均が分かりやすい。
傾向としては、2020年後半から21年前半が谷で、その後22年前半から秋ごろにかけてピーク、23年夏以降は減速基調で推移していることが分かる。
特に金型は試作品の製作や新製品の生産時に需要が多くなることから景気の先行指標ともいわれているが、このグラフを見る限りはマインドは悪化傾向と考えられる。先月開催されたJIMTOF2024では金型の世界にも徐々に3Dプリンタが進出する傾向も見えており、仮にこうした傾向が強くなっていれば、工作機械の受注額には反映されない可能性もある。
しかし、2024年10月の水準は22年のピーク時から半減であり、急激に製造手段が変わったとは言い難いことから、経済環境の変化が主要因である可能性は高いのではなかろうか。
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