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コロナ禍とリーマンショック時の工作機械受注額推移

最終更新: 11月11日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、世界各地で行動制限を伴う非常事態宣言や緊急事態宣言等が出され、経済に深刻なダメージが及んでいるのが今の状況である。 大規模な経済危機といって思い浮かぶのが2008年9月のリーマンショックであり、コロナ禍においてもリーマンショックとの比較を持ち出して今回の状況分析がなされることが多い。 そこで、普段まとめている日本工作機械工業会の工作機械受注額統計の数値をグラフ化して、リーマンショックとコロナ禍の異同点を探ってみた。

グラフにして見ると一目瞭然である。 前提条件として「発生時」はリーマンショックが2008年9月、COVID-19が2020年1月に設定した。 リーマンショックの場合は工作機械業界の好不況を判断する基準と言われる受注額1,000億円/月を上回る好調な水準で推移してきた状況だったのにイベントの発生によって最悪のレベルに落ち込んだ。 一方、COVID-19においては、米中摩擦の影響等でもともと受注動向が芳しくない状況でイベントが発生した。落ち込みは小さくはないものの、リーマンショック時の激しい落ち込みに比べると、下落トレンドの中でCOVID-19が下押しになった感が強く、COVID-19自体のインパクトはさほど大きくない印象を受ける。 COVID-19でマイナスの影響が大きいのは、小売業、旅行業、運輸業など比較的投資から回収までのサイクルが短い業種が中心である。 例えばJR東海が公表している東海道新幹線の月次利用状況では、2020年4月と5月の実績が前年比10%、2020年9月は1日から8日迄の実績で前年比33%となっており、落ち込みの大きさはリーマンショック時の工作機械と同レベルである。 ちなみに、リーマンショック時に工作機械が月間1,000億円の受注水準に回復するまで2年強を要している。社会情勢は当時とかなり変化しており、リーマンショック時のように回復するかは分からない。 ただ、リーマンショックとコロナ禍では不況の構造が大きく異なることは確かである。一部ではコロナ禍は出口が分かる不況だという意見もあり、一方で兼ねてから懸案だった事項について構造改革を前倒しする効果になっているという指摘もある。 グラフを見てみるとそうした見解はある程度的を射ているような気がする

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