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  • Hideyasu Matsuura

革製品排除の流れ

 革製品と言えば丈夫で長持ち、しっかり手入れをすれば美しいものです。  私などは、修理を重ねながら30年近く履いている革靴もあり、以前スーツの採寸の時にフィッティングルームから出て靴を履いたとき、店員の方から「いい靴履いてらっしゃいますね」と、お世辞?をいただいたと思ったので「これ、若い頃買った安い靴で20年以上履いてるんですよ」と応えたら「いや、だからですよ」と上手く返されました。  基本的に2週間履いたらシューキーパーを入れて2ヶ月お休みというルーティーンで、クリームを塗り込んでワックスで仕上げるとピッカピカになるのが嬉しい。そんな付き合い方をしてきました。  しかし、近年、革製品の使用に対する圧力が欧州を中心に高まっています。革製品は動物の皮膚から作られることが一般的であり、動物の屠殺や皮膚の取得プロセスがしばしば残酷であるとされて動物福祉の観点から問題視されています。動物愛護団体や個人が、動物への苦痛を軽減し、動物権利を尊重するために革の使用を減らすべきだと主張しています。革製品の需要拡大によって皮膚を取得するために動物を飼育し、屠殺する産業が拡大しました。これには倫理的な問題が関連しており、多くの人々がこうした経済活動に反対しています。動物を殺すことなく、代替素材を使用することが倫理的な選択とされています。  さらに革製品の製造プロセスは、水消費量が多く、有害な化学物質を排出することで知られています。特に、皮膚のなめしプロセスは環境に悪影響を及ぼし、水資源汚染や大気汚染に寄与することがあります。持続可能性への関心が高まるにつれて、これらの環境問題に対する懸念が増しています。  SDG‘sの啓発が広く行われていることもあって消費者の間で持続可能性と倫理的な製品への関心が高まっており、革製品に代わる選択肢を求める声が増えています。製品の購入において環境や動物福祉に配慮することを重要視する消費者も増えてきました。  こうした流れを受けて代替製品も登場しています。革の代替品には次のようなものがあります。これらは石油や植物を由来とし、動物由来ではないため”ヴィーガンレザー”と呼ばれることもあります。

  1. 合成皮革(Synthetic Leather): 合成皮革は、天然皮革の外観と感触を模倣するために合成材料から作られます。主にポリウレタン(PU)やポリビニルクロライド(PVC)などのプラスチックを使用し、繊維や織物で補強されることがあります。合成皮革は耐久性が高く、環境への影響が比較的少ないため、革の代替素材として広く受け入れられています。

  2. 再生皮革(Recycled Leather): 再生皮革は、古着や革の廃棄物をリサイクルして作られます。古い革製品から取り出された革の断片を加工し、新しい製品に再利用することで、資源の有効活用と廃棄物削減に貢献します。再生皮革は持続可能性を強調した選択肢です。

  3. ピネアップルレザー(Piñatex): ピネアップルレザーは、パイナップルの葉から作られた天然繊維を使用しています。この素材は環境に優しく、ピネアップル産業の副産物を利用することで、農業における持続可能性を促進しています。ピネアップルレザーは革に似た質感と耐久性を持ち、ファッション業界で注目されています。

  4. キヌアレザー(Mushroom Leather): キヌアレザーは、きのこの菌糸から作られるバイオレザーです。これは生分解性であり、自然に分解されるため、廃棄物問題を軽減します。キヌアレザーは持続可能性と環境への配慮を重視するブランドによって採用されています。

 こうして見てみると、以前このコラムでも取り上げた代替肉と構造はよく似ています。代替肉も肉食に取って変わるものと考えられていますが、すべてが代替肉に変わられるかといえば今の段階では現実的ではないと考えられます。革は食肉加工のために屠殺した動物から得られる副産物でもあるため、食肉が続けば革も産出されることになります。したがって、直ちになくなることはないとは思いますが、人が生きていくために必要不可欠な食糧とは異なり、代替製品も肉に比べれば容易に入手が可能であるため、肉よりは代替のペースが速くなるのではないでしょうか。  利用が続くにしても倫理的な面から追及されると厳しいものであり、最低限、無駄遣いはしない、有効に利用することを心掛ける必要はあるでしょう。  他でもあったのですが、動物福祉が製品生産に与える影響も近年は高まっているため、社会的な影響とその動きを注意深く観察して、慎重に分析する必要も機械設備評価では求められる場面が増えてきています。

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