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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

ペーパーレス化は進むか

最近は、マイナンバーカードの各種トラブルの話題が連日報道されている。 原因は様々のようで、システムの設計思想に問題があったり、運用上の問題、そもそもの単純ミス等々、良くもこれだけ次々に問題が出て来るものなのか呆れてしまうのであるが、全体からみたトラブルの件数はごくわずかであり、恣意的に誇張されすぎな面もあるのかもしれない。 実際の業務でもここのところ急激にペーパーレスが進んで来たと感じる。 契約書も紙の契約書ではなくデジタルでなければダメだといわれてさてどうしたものかと考えていたら、先方から紙契約書をスキャンしたものが送られてきた。 ペーパーレス=デジタル化だと思っていると拍子抜けしてしまうのだが、ラスターデータでもデジタルといえばデジタルであるから、スキャンした元のペーパーはどうなったかなどと考えなければ問題はないのだろう。 また、オフィスで完結する仕事ならデジタル化は簡単とは言えないものの、可能性は高いのであるが、屋外での作業が伴う業務となるといろいろと困難が伴う。 不動産の調査、あるいは機械設備の調査においては図面を使うことも多い。特に大きいものを扱う場合は図面もその分大きくなるので、こうなるとデジタルツールよりも紙の方が都合が良い。また、資料として図面を使い、結果をその場で入力となるとあちらこちらのアプリを行ったり来たりということになってしまい効率が良くない。 まだまだ、紙データにもメリットがあり、全てデジタル化というのにもなかなか抵抗があることは確かである。 デジタルに完全移行したという会社もいくらか存在するが、どのようにしてデジタル化したか聞いてみると、徹底的にアナログを排除したと答えることがほとんどである。上司、役席といえども紙のデータを持ってきたら容赦なくダメ出ししたという会社もあり、言い換えればそのくらい徹底してやらないと本格的にデジタルに移行するのは難しいのかもしれない。 マイナンバー問題も、恐らく政府がそれでなくても遅れているデジタル化への移行を強力に推進しようとして強引に施策を推し進めたことが裏目に出てた結果なのではないか。 企業の中では強制的なデジタル移行を進められたとしても、公的セクタ特に日本のような民主主義国家ではいろんな事を主張する人がいるし、強制に強いアレルギーを持つ人がいるから、上手くいくはずがない。 また、行政の仕事のやり方自体も変えなくてはならない。縦割り行政で各省庁がバラバラに動いている弊害を和らげる役割を期待されるのがマイナンバー制度であり、マイナンバーカードであるのだが、今ひとつバラバラ感が拭えないところがある。 そもそも、日本人はデジタルの「ものづくり」が苦手なのではないかと思うことがある。スマートフォンも多くは海外製で、SNSやネットサービスも多くは海外の事業者がプラットフォームを提供している。 マイナンバーカードの騒動を見ていると、日本が今のポジションを抜け出すのは相当困難であると察しがつくのが残念なところである。

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