ここのところ、サプライチェーンの国内回帰の話題をよく耳にする。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で中国からのマスクの輸入がストップしたことがサプライチェーンの国内回帰の発端となったのだが、経済産業省が「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」で補助上限150億円という破格の条件で、しかも幅広い製造業を対象としているから、工業立地にかかわる関係者が非常にホットな状況である。 今日こんな記事がリリースされていた。 日本の製造業がコロナを生き抜くために、サプライチェーン改善より大事なこと(DIAMOND ONLINE)
https://diamond.jp/articles/-/243329
この記事では、サプライチェーンの再編よりもコストダウンに繋がるデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:DX)が必要だと説いている。 ところが、そのDXが一体何であるのか、非常に分かりにくい。 いろいろな文献や記事を読むのであるが、分かりにくいものである。 AIもそうであるが、本当に理解している人が少なく、中には全く知らない人が適当なことを書いているのではないかと思うことがある。 例えば「AIが普及して10年後には建設現場から作業員がいなくなる」といった具合である。
AIが建設現場で作業をするのか?といえば間違いなくなるNOであろう。
DXで何ができるかというと抽象的な表現のものが多く、具体的に現場にどう落とし込んでいくかが分かりづらい。そうなると投資の決定権を握る中高年の経営者はチンプンカンプンなのではなかろうか。補助金で投資に対する判断が甘くなれば訳が分からないまま投資をいてしまい、使い途の分からない物を抱え込んでしまうかも知れない。尚更危ういことになる。
いちばん活躍すべきなのはハードウエアの仕事をする人よりも、現場の運営をしっかり設計でき問題解決手段を提供できるソフトウエアの仕事をする人なのではなかろうか。 デジタルトランスフォーメーションをしっかり理解して現場で活用できる企業、事業所が増えてくれることを祈るしかない。
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