山地の太陽光発電施設に対する諸問題

7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区で大規模な土石流が発生しました。 発生直後からネット上では一般の意見のほか、高い関心を示す国会議員も現れるなど”メガソーラー原因説”"メガソーラー懐疑説"が広くでまわりました。

土石流はメガソーラーが直接の発生源ではなかった

 その後の行政サイドの調査などで、直接の発生源は太陽光発電施設ではなく、残土の盛土が適切に行われていなかったところに、記録的な大雨が降ったことで土石流が発生したという見方が最も有力になっていますが、付近に太陽光発電施設もあり、まったく関係がなかったとまでは言い切れず、詳細な調査結果が待たれます。


伊豆地区ではメガソーラー反対の声が根強い

 伊豆地区でも太陽光発電施設の立地は相次いでいます。伊豆地区は地形的に平地が少なく急峻な斜面を持つ山地がほとんどで、山林を切り開いて設置される太陽光発電施設も多く、森林の伐採によって保水力の低下が低下して土砂災害が発生することの懸念や、観光地に黒いソーラーパネルが林立して景観破壊になることへの異論など、地元住民を中心に根強い反対意見が出ています。 伊東市ではメガソーラーの建設の許認可をめぐって係争になっており、熱海市に隣接する函南町でもメガソーラーの建設計画に反対する住民が県に陳情を行っているのが現状で、熱海市の土石流災害でこれらの関係者の不安がいっそう高まっているようです。

メガソーラーは法的な規制が厳しいはずだが

 大規模な開発行為は周辺環境に与える影響が大きいことから、法令上は開発許可の手続きが必要になり、調整池の設置などが義務づけられます。したがって、メガソーラーに関しては法令上の問題は比較的少なく、法令の規制がない小規模の施設に問題が多いと考える不動産関係の専門家も多いのですが、規制自体も社会的に多くの人から求められるレベルの規制とは乖離があるように思います。  太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を東日本大震災の後、急激に進めた結果様々な弊害が出てきているのが現状で、地球温暖化の原因となる二酸化炭素排出量削減のための太陽光発電施設が、二酸化炭素吸収する森林を伐採して設置されたり、水資源を破壊したりと、全体的に見て必ずしも環境に優しくないという矛盾をはらんでおり、全体的な整合性という観点からすれば、まだまだ法体系に改善の余地が大きいと言えます。


ESG投資の観点からも評価ガイドによる監視が必要

 近年ではSDG'sやESG投資がキーワードになっており、再生可能エネルギーの分野が投資対象になり、かなりの割合の投資や融資が、太陽光発電事業にも流れ込んでいるといわれています。本来、環境や社会性の高い分野に回すべき投資が環境破壊を引き起こしているとすれば本末転倒であり、見かけだけでなく、実を伴ったESG投資であるか否かについてしっかりとチェックする必要があります。  そのチェックツールとして「太陽光発電事業の評価ガイド」は利用すべきであると考えます。太陽光発電だけでなく、再生可能エネルギーを利用した発電事業のビジネス化を急速に進めてしまったため、新たな環境問題の発生、電気料金の高騰、電力需給バランスの不安定化など様々な弊害が起こっています。  行政サイドも強い危機意識は持っているものの、規制強化は現在の社会環境からすると決してやりやすいものではなく及び腰にならざるを得ないようです。とはいえ、この状況は放置していいものではなく、固定価格買取制度も広く国民の負担で成り立っている以上、厳格な監視が必要であることは間違いないでしょう。

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