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銀行のCLO投資に日銀が言及

最終更新: 2019年11月27日

ローン担保証券(CLO) の潜在的リスクが指摘されてきたが日本銀行がこの件に言及した。   金融システムレポート(2019年10月号) http://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/fsr191024.htm/ 要旨において

(邦銀の)保有CLOのほとんどはAAA格である。ただし、レバレッジドローンの借り手は景気悪化に脆弱であるほか、近年、貸付条件の引き緩みが続いており、CLOについても、経済・市場急変時の格付け低下、市場価格下落等のリスクに留意が必要である。 とされており、当面は安全であるとしている。 証券化などで出資を広く募る場合、全体を3つに区分して資金を調達する手法がとられる。 投資したい人の動機は様々で、投資してリターンは欲しいが安全重視の投資家と、リスクをとってでも高いリターンが欲しい投資家がいる。安全重視であればリターンも低くなる(利回りが低くなる)。 特に銀行のように安全重視で元本割れを避けたい投資家向けのローリスク・ローリターンな債権を「シニア債」といい、逆にハイリスク・ハイリターンの債権を「ジュニア債」という。その中間にあるのが中二階を意味する「メザニン」である。 日本の銀行はこのうちの「シニア債」に投資しているから比較的安全であると日本銀行は今回の金融システムレポートで述べている。 但し、投資である以上リスクはつきものであり、予想を超えて市場が悪化した場合は債権の裏付けとなる試算の価格が目減りし、目減りがシニア債の領域まで食い込むことになればシニア債でも損失が発生する可能性はあるということである。 資産の将来価値を予測する限界が世間で期待されているほどのものでないことを評価の立場から思い知らされることは度々であるから、安全と言われる資産が安全でなくなることも容易に想像できる。 サブプライムローン問題の際には、債権から債権が組成される過程で「ジュニア」相当のものが「シニア」の債権に混入して化けてしまったのが信用不安に陥った大きな原因だとされた。CLOはもともと返済能力が低い債務者に対する債権を寄せ集めたものであり、そもそものリスクは高めである。CLOが安全だといわれる論拠は「シニア」に相当する部分では債務不履行が起こっておらず、利回りも安定しているという市場の実績によるものであり、必ずしも将来まで安全であることを見通したものではないことが気がかりである。 これから経済後退が見込まれる中でCLOという爆弾が炸裂しないことを祈るほかない。


【関連記事】  CLOはサブプライム同様の爆弾か  https://www.frontier-valuation.com/post/columns520


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