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執筆者の写真Frontier Valuation

電線は地中化した方がいいんじゃないか?

台風15号の強風によって引き起こされた千葉県内の大規模停電がいまだに続いている。   台風が去った朝のニュースでは東京の鉄道的で会社へ向かい人の長蛇の列ができたと盛んに報じられていたが、今思えばどうでもいいニュースで、千葉県内の強風被害や横浜の高潮被害の方が切迫した事態だったことは間違いない。   強風による被害は昨年も台風によって引き起こされている。地球温暖化の影響により台風の勢力が強まっているという指摘があるが、2年連続で大きな被害が出ているところを見るとやはり、温暖化の影響という仮説が濃厚になってきたように感じる。   平成30年9月の台風21号では大阪、和歌山、兵庫などで約225万戸が停電し、復旧に最長で16日間、さらに中部では約70万戸、北陸でも1万4千戸が停電している。また、同じ月の台風24号では、関東で40万戸、中部で119万戸、関西で11万戸にのぼり、最長で6日間停電している。

今年の台風15号はこれを上回りそうな状況である。

絡まりそうな電線も良く見かける

いずれも強風で電柱が倒壊したり、電線が切れたり、塩害による漏電でショートするなどで停電が起こっており、電線を地中化すればこうした被害は起こりにくくなるのではないかと考えられる。 電線の地中化は、安全面や景観向上の観点から推進すべきと言う声も多い。但し、埋設費用が多額にのぼること、空中に架設してある場合には目視でき管理や修繕が容易であるものの地中に埋めてしまうと断線が起こった場合、場所を特定することが困難であること、地震で液状化が起こった場合被害を受けやすいこと、トランス(変圧器)などを地上に設置する必要がありその場所が必要になること等、意外にハードルは多いようである。 ただ、今回の強風被害で電柱の強度に関する基準を強化すると経済産業大臣もコメントしており、架設のコストも上昇するであろうから、地中化が検討されるケースは増えてくるのではなかろうか。 もともと、電柱の架設は戦後復興期の暫定的な措置がそのまま残ってしまったものであるともいわれる。道路、水道、下水だけではなく送電のインフラも手直ししなけらばならない時期に来ている。しかし、その費用は電気料金で賄われることになるから、頭の痛い問題がまたひとつ増えてしまった。

 

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