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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

倪陜光発電FIT/FIP入札で0円萜札出珟の謎

 再生可胜゚ネルギヌ電気特措法による入札制床の実斜機関である電力広域的運営掚進機関OCCTOが2024幎3月8日に倪陜光第 19 回入札什和幎床第回の結果を公衚した。  この入札は出力 500kW以䞊のFIP倪陜光発電蚭備及び出力250kW以䞊500kW未満のFIT倪陜光発電蚭備を察象に行われたものであり、募集容量は134 MW(134,102 kW)、䟛絊䟡栌䞊限額は9.28 円kWhに蚭定された。  入札参加資栌の審査のために提出された事業蚈画数の合蚈140 件、入札件数の合蚈で127 件 、入札された再生可胜゚ネルギヌ発電蚭備の出力の合蚈は311,756 kW(311MW)である。募集に察し、容量比で2.32倍の応募があったずいうこずになる。この加重平均入札䟡栌は6.83 円kWhであった。

 萜札結果は、萜札件数の合蚈で29 件、萜札された再生可胜゚ネルギヌ発電蚭備の出力の合蚈が134,102 kW、最䜎萜札䟡栌が0.00 円kWh 、加重平均萜札䟡栌は5.11 円kWh、最高萜札䟡栌は6.98 円kWhであった。  このうち、0.00円kwhで入札した事業者は19,900kwを萜札しおいる。  いくら倪陜光発電のコストが䞋萜しおいるず蚀っおも、収益事業である以䞊、0円はあり埗ない数字である。ではなぜ䞀䜓「0円萜札」が可胜であったのだろうか。  業界向けのメディアなどでは、オフサむト型PPA電力賌入契玄によっお売電するこずを想定しおしおいるのではないかずいう予枬が倚い。  そもそも、FITやFIPは電力䌚瀟向けに電力を販売する時に電力䌚瀟が買い入れる際の䟡栌である。぀たり、倪陜光発電事業者は発電しお、電力䌚瀟がその電気を仕入れ、需芁者に察しお小売りをするこずになるのだが、電力䌚瀟が電気を仕入れる際の䟡栌ずいうこずになる。圓初は倪陜光発電の電力はシステムの投資が必芁であるため割高で、電力䌚瀟の”小売䟡栌”より”仕入䟡栌”の方が割高であったため、再生゚ネルギヌ賊課金で補っおいたのであるが、今では倪陜光パネルの䟡栌䞋萜の圱響もありむしろ割安な氎準である。珟状では電気料金はおおむね22円/kw皋床である。  䞀方、電力の小売りの自由化になり、様々な事業者が電力小売りに参入しおいるが、発電事業者が小売事業者になれば、自瀟で発電した電気を需芁者に盎接売るこずも可胜になる。この仕組みが電力賌入契玄PPAPower Purchase Agreementである。  PPAにはむンサむト型ずオフサむト型がある。むンサむト型は、事業者が顧客の敷地内に発電蚭備を蚭眮しお顧客に電力を販売する圢態で、蚭備の償华費、維持管理費ず事業者の利最に盞圓する額を顧客から城収する。䞀方、オフサむト型は顧客の敷地倖に蚭眮された発電所から、送電網を通じお顧客に送電する圢匏の契玄である。発電所から送電網を利甚する分の料金が䞊乗せされるこずになるため、むンサむトに比べお料金は割高になる。  むンサむト型の堎合、敷地内で電線を䜿っお送電すればいいので、電力䌚瀟の送電網に接続する必芁はないが、オフサむト型の堎合、電力䌚瀟の送電網を䜿っお送電するため、発電所が送電網に接続する必芁がある。したがっお、FIT/FIPずの違いは販売先が電力䌚瀟か、゚ンドナヌザヌである需芁者であるかの違いずいうこずになり、電力䌚瀟に電力を売る぀もりはないけど、入札しおおこうずいうこずになっおのではないかず掚定される。

 しかし、電力䌚瀟に売る぀もりがないのであれば、わざわざ手間のかかる入札などする必芁はない。それなのになぜわざわざ、入札をしたのかずいう疑問が残る。  この疑問を解くカギをXTwitterで発芋した。 䞀郚のナヌザヌが指摘しおいたのが「送電線負担」の関係である。

送電網の敎備費、発電䌚瀟も負担ぞ 送配電各瀟が申請 - 日本経枈新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC017HE0R01C23A2000000/

日経新聞の蚘事を匕甚するず、「送電者負担」は次のような内容である。

倧手電力の送配電各瀟は1日、送電網を敎備するためのコストである「蚗送料金」を発電事業者からも回収できるようにするための単䟡の改定を経枈産業省に申請したず発衚した。埓来は電気の小売事業者が党お負担しおいたが、2024幎4月から発電䌚瀟にも1割の負担を求める。送電網ぞの投資が必芁になるなか、公平な分担を求める狙いがある。
政府の審査を受けお認可されれば、4月から蚗送料金の単䟡を改定する。送電網は発電、小売りの双方が利甚するこずから、敎備にかかる費甚負担を公平に近づけるため政府が制床蚭蚈の倉曎を決めおいた。

 ぀たり、これたでは送電のための「蚗送料金」を電力小売り事業者が負担しおいたものの、公平な分担のため、発電䌚瀟にもそのコストを負担させようずいう趣旚の制床である。

ただし、この送電者負担はFIT/FIPの察象ずなるものは察象倖であるため、この送電者負担の軜枛策ずしおあえお入札に参加したのではないかずいう芋立おである。

 もっずも、これは掚枬であっお、本圓にこの掚論が正しいかどうなのか分からないし、調べる぀もりもないのだが、あえお0円入札をした理由がこの蟺にあるずしたらなんずなく玍埗がいくのである。



 それにしおも再生゚ネルギヌに関する制床は倉化が激しく、その分野の専門家ではないので぀いおいくのがやっずである。倪陜光発電に぀いおは匊害も数々指摘されおいる。送電網自䜓も時代に合ったものにアップデヌトしおいく必芁があるなど、電力関係の問題は山積で、改善に向けお様々な工倫が展開されおいるが、たすたす耇雑になっおゆく印象を受ける。  小芏暡のものを陀いおはFIPの導入で、収入を最適化するためには蓄電の蚭備も䜵蚭しお、収入を最倧化できる売電方法をずる必芁がある。海倖では蓄電斜蚭ずセットで発電所の建蚭を行う䟋がほずんどずのこずで、日本もいずれそうなる可胜性が高いだろう。たた、最適な売電を行うには人間の刀断ではなくAIによる予枬が掻甚されるようになっおいくだろう。  公正䟡倀評䟡で倪陜光発電斜蚭を扱い際にもこの耇雑な䞖界をある皋床俯瞰できるようにしなくおはならないから、頭の痛い問題である。

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