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  • Hideyasu Matsuura

建築資材が急騰・入手難の状態にある

国内では新型コロナウイルス(COVID-19)の感染第4波が広がりつつある。 一方、ワクチン接種が行き届きつつある海外の一部の国では既に次のステップに移行し始めている。 次を見据える状況であるから、投資意欲が増す。景気対策で市場には大量の資金が供給されている土壌で投資意欲が増せば、市場の変動も大きくなる。

建築資材に波及

半導体の不足が深刻な状況は数ヶ月前から大きく取り上げられているが、この影響が建築資材にも及んできた。特に米国ではバイデン政権が就任直後に大規模な経済対策を打ち出したこともあり、住宅に対する需要が旺盛になっている。 特に影響が出ているのは木材であるという。

木材価格は高騰、一部では品薄に

一般財団法人 日本木材総合センターが発表している「2021年03月の木材価格・需給動向」によれば、全般的に値上げ傾向が続いており、米国の製材品、構造用パネルは史上最高値を更新中で価格高騰に歯止めがきかない状況とされていて、国産材、南洋材、北洋材などの在庫が減少し、物によっては不足が深刻化しているものもあるという。

鋼材価格も値上がり

鋼材価格も年初から急激に値上がりしている。

日経新聞の記事によれば、生産を抑制したところに需要が急回復したことで値上げの土壌が揃ったことが理由とされている。ただ、国内の需要はさほど強くないため、流通関係者の顔色は良くないようだ。 記事には書かれていないが、先日の工作機械の受注動向と同様に需要の牽引役はやはり海外市場とみられる。 鉄スクラップ価格も上昇

鋼材価格が上昇すれば鉄スクラップ価格も上昇する。

一般社団法人日本鉄リサイクル工業会が発表する鉄スクラップ価格相場の状況によれば、今年3月の関東・中部・関西地区の平均価格はトンあたり約4万円である。

米中摩擦の前までは3万円台中盤/トンで推移し、その後、米中摩擦で2万円/トンを切る水準にまで落ち込んだが、2020年末頃から急騰し、4万円/トンに達した。

スクラップ価格を大まかに把握する際、大体3万円/トンで把握するので、4万円という水準は高い印象がある。ちなみに2003年以降の鉄スクラップ価格の平均値は28,370円で、中央値は27,200円である。


今後の見通し

今後の状況を見通すのは難しいが、需要急増の後の急減も考えられるが、むしろこれからがコロナ後の経済活動が本格化する可能性もあり、更に高騰した後、急下落という可能性もある。 一般に生産者側は需給が逼迫しても需要の急落に警戒して生産能力を安易に増強することはない。特に需給逼迫の場合には、需要者が1つのニースに対し多数の発注を出すことが普通なので、実需以上に発注が多くなるのが常である。設備投資はせず、生産能力を限界まで高めて対応することになるので、品薄状態が長期化する可能性もある。   この状態で行くと、日本国内では需要が少ないにもかかわらず、品薄で価格が高騰という状況になることも考えられる。 インフレを警戒して各国が金融引き締めに舵を切れば影響は和らぐ可能性もあるが、予断を許さない状況だ。 コロナウイルス対策のワクチンの動向も気がかりだが、経済情勢からも目が離せない。

 

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