中小企業診断士の制度が見直されるというニュースを目にした。
中小企業診断士制度が見直しへ!ポイントをサクッと解説
ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
https://newswitch.jp/p/26605
中小企業診断士として活躍されている方は多いが、どういうことができる資格なのかは良く分からない。 調べて見ると、「中小企業支援事業の実施に関する基準を定める省令」において経営の診断又は経営に関する助言を行う者と規定されている。 中小企業の経営の診断や経営に関する助言という位置づけからすると中小企業のドクターのような立場だろうか。資格がなければ特定の業務を行ってはならないとされる業務独占資格ではなく、一定の学識を持つ経営コンサルタント的なポジションのようだ。
中小企業診断士制度の見直し案
中小企業診断士は1次試験合格に合格することが必須で、その後は2次試験に合格して、実務に従事するか、中小企業大学校などの養成課程を修了か2つのコースがある。
1次試験は一発で全科目に合格する必要はなく、科目合格で数年かけて1次試験に合格できる。見直しによって科目合格者にも対外的に示せる名称が与えられるとのことである。
一般的に国家試験では最終合格しない限り資格を名乗ることはできず、例え途中まで合格した実力があっても、何も知らない人と同じ扱いになるわけだから、受験する方の立場としては勉強し甲斐があり、資格を志す人も増えるかも知れない。
資格試験の知識と実社会のニーズは違う
とはいえ、勉強したからそれが実社会で役に立つかと言えば、必ずしもそうではないのは間違いない。試験では問われないようなことでも、実社会に出ると知っていて当然というようなこともある。また、実社会で解決すべき問題は複雑で必ずしも正解はないし、試験の正解が実社会での問題解決をする上での最適解かといえば、必ずしもそうではないというのが、実際のところである。 経営コンサルタントとして仕事に従事されている方でも中小企業診断士の資格はないものの独立して成果を上げておられる方も実際におり、資格取得に必要な学識が必ずしも社会のニーズに応えられることとは残念ながら一致しない。
本当に役に立つ資格とは
世の中には資格を名乗るものはゴマンとあり、国家資格、民間資格、企業内の資格、はたまた得体の知れないようなものもある。その中で本当に役に立つ資格、持っているだけでメシが食える資格があるかと言えばゼロといっていいだろう。
中には金食い虫で、会費、更新料、更新をするための継続学習など多額の費用がかかるだけというものもある。それを箔を付けるものと考えて必要経費とみるか、無駄な出費とみるかは人それぞれだろう。
一番大切なのは、自分が仕事をして行く上で必要不可欠なものか。必要不可欠でなくても、間接的に何らかの役に立つものかということから考えてみることである。間違っても、資格を取れば新しい世界が広がる等と考えてはいけない。新しい世界は確かにブルーオーシャンかもしれないが、魚のいないブルーオーシャンに船出する意義は全く無い。社会のニーズがないところに船出するのは失うものしかない。
「本当に自分のポジションで必要なものか熟慮すべき」というのが、ニーズがない資格を取っても意味がないどころか損失になるという実体験を経験した者から間違いなく言えることである。
コメント