ここのところ、外に出かけるのが難しい。 特に企業などにアポなしで飛び込むのはCOVID-19の感染予防の観点から嫌がられる。 ということで、アポを取って出かけるのだが、本当に意味があるものなのか疑問に思うことしばしばである。 基本的に、マスク着用、手指の消毒、検温の3つは必須である。 ・マスクについては様々な議論がある。マスクを着用したからと言って感染を防止できるというわけではない。但し、マスクを着用している人が感染者だった場合、他の人にウイルスを感染させない効果は得られるようだ。
先月、会議に参加するため、猛暑日の中、早足で会場に向かった。 付いたは良いものの息が上がってしまい、マスクをしていると窒息しそうなくらいで苦しくて苦しくてたまらない。かといってマスク自体を外すわけにもいかず、気付かれないようにあごの下から手を突っ込んで空気の通り道を確保した。
・手指の消毒も必須だ。一時期ほどではないが置いてある消毒液でマメに消毒している人は未だに多い。一部の店舗では手指消毒をしないと中に入れてくれないところもある。
2月頃だったか、テレビで医療関係の専門家が消毒液は手から滴が滴るくらいたっぷり付けないと効果がないという見解を述べていた。それ以来、たっぷり消毒液を使わせていただいている。 ところが、先日ある店舗にはいろうとしたら、入口の係員の方に手を出すように求められ、その手に消毒液を噴霧してくれた。その量は片手の半分くらいにかかる量。 「これじゃ少ない」と思ったのだが、強欲なオッサンとか理屈っぽくてやな客と思われたくないという見栄が働き、そのまま「あ、ありがとうございます」なんて両手をスリスリしてその場をやり過ごしてしまった。
もっともたっぷり使わないと効果がないという専門家の見解が正しいのか分からない。 スプレーひとつでもモヤモヤしてしまうコロナ禍の虚しさを改めて思い知らされたのである。
・検温も必須だ。接触を避けるため非接触の体温計が主流で、額をピッとやって37.5度以上なければパス出来る。 そんな世の中なので非接触の温度計があったら便利かと思い、ネットショップを検索してみたのだが、国産のものは「人体には使えない」と書いてあるものが全てで、それ以外は明らかに日本で使われているフォントと違うフォントの漢字で書かれていたりする。 医療用の機器は性能面での要求が厳しく、一説には非接触方式ではその要求を満たせないという話も聞く(これは誤っているかも知れません)。したがって、ネットなどで売られている非接触式の温度計では正確な検温が出来ない可能性が高いのだそうだ。日本のメーカーは違法な販売になるのを警戒して「人体には使えない」と記載していて、その辺に無頓着な海外製品にはこうした記載がないと考えて良さそうだ。 つまり、巷間使われている非接触式温度計の精度は少々疑わしいということになる。 数日前にやはり店舗の入口で検温を求められたのだが、体温が35.1度だった。いくらなんでも低すぎると思ったのだが、基準は満たしているのでパスということになった。 形式主義というかお作法化というか、中には意義が薄いと思われるようなものもあり、よく考えれば突っ込みどころ満載である。7日には国内線の旅客機がマスクをしないと強弁した客を降ろすために緊急着陸したと言うから、我を通すのも危険である。 当分は世の流れに逆らわず、滑稽だと重いながら生きていくのが賢明なのかも知れない。
松浦 英泰
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