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半沢直樹 ~「黒崎検査官」と"財金分離"

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、4月に始まる予定だった、TBS系のドラマ「半澤直樹」が7月にスタートし、前作同様に好調のようである。

一昨日(8月2日)放送の第3回では、前作にも登場したクセの強い検査官・黒崎が今度は「証券取引等監視委員会事務局証券検査課統括検査官」として登場した。 しかし、この黒崎という人物、国税の査察官から金融庁の検査官、さらには証券取引等監視委員会と華麗すぎる転身を重ねており、素性の良く分からない人物である。

それ以前に、2000年代に行われた中央省庁再編では、財政と金融を一手に引き受けてきた大蔵省を財務省と金融庁に分割したことが"目玉"とされ、「財金分離」などと言われてきた。財務省の下にある国税にいた人物が、金融庁の管轄にある金融検査の担当者になることは本当にあるのだろうか。 調べてみるとどうやら、いったん金融庁に転身すると財務省に戻れないノーリターンルールというものがあるとのことだ。但し、対象は局長級以上ということだから黒崎という人物は対象外になりそうだ。 とはいえ、テレビドラマはエンタテインメントだから、必ずしも事実に忠実でなければならないということでもなく、面白ければそれで良い。ガラスの向こうで検査をやっているのにサーバー上の資料を消せなどとやり合うなんてマヌケなことは絶対ないだろうなと思いつつ、黒崎が悔しがるシーンを期待しているのが視聴者である。 あそこまでスリリングではないが自分がチェックされる立場になるのは相当に緊張する。評価士の仲間に聞いてもやはりチェックの集中する時期は非常に気が重いというから、皆さん同じようだ。エヴィデンス(証拠)がないのに強引な論理構成はできないし、資料があっても守秘義務から詳しい内容までは開示できないこともあり、そういった場合は非常に気を揉む。とはいえ、半澤直樹の世界にリアルで飛び込めばあっという間にストレス死しそうな程度である。

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

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