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非上場株の買取のお話から

コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で各種セミナーの中止が相次ぎ、刺激の得にくい日々が続きましたが、ようやく再開されるものも出てきて平常に戻りつつあります。 その中で、一般社団法人事業再生支援協会(SRC) 静岡支部の定例会が17日に行われた。今回はお馴染みTSKプランニングの立川昭吾先生の講演でした。

「改元すると混乱する」が見事的中

 立川先生の講演は2ヶ月に1度で前回は2月でしたが、昨年末に"日本は改元すると15年は不況"という説を発表され、どうやらその通りになってきました。  平成はバブル経済崩壊→雲仙普賢岳噴火→阪神淡路大震災→地下鉄サリン事件→アジア通貨危機と続いたのですが、令和はまずCOVID-19がきました。正直に言うとあまり当たって欲しくない予想なのですが、このあとはどうなるのでしょうか。


混乱期に出てくる新ビジネス

 こうした混乱期になると出てくるのが新ビジネスで、コロナ禍においては非上場株式の買い取りビジネスというものが出始めているのだそうです。  どういうビジネスかというと、特に同族会社などの非上場会社においては親族に株を持ってもらったり、従業員に株を分け与えたりしている会社があります。こうした株は大抵譲渡が難しく、市場性のない株式です。

 ところが、その株式に相続が発生すると問題が起こります。

 問題となるのは株価です。

 取引市場のある株価はその市場価格で決まりますが、市場性のない株価は株式評価を行って株価が決まります。評価の方式としては類似業種比準方式や純資産方式といったやり方がありますが、特に純資産方式の場合は不動産や機械設備を持っているとその資産の評価額の積み上げということになるので、相当な評価額になります。  相続税はこうした評価で株価を算定するわけですが、肝心の株の方は換価ができないので、非上場株式の株主は困ってしまいます。そこで、この株を買い取るというサービスが生まれたといいます。  買い取った株はどうするかという話は割愛しますが、恐らくこの手の話は増えてくるだろうといいます。

 

純資産評価の盲点

 株式の評価が純資産評価となると、不動産鑑定で不動産の評価ということになるのですが、機械設備の評価も絡んでくる可能性は大いにありです。しかも、この場合は継続使用の公正市場価値の評価になりますので、簿価が資産の価値だと考えていると恐らくかなり膨らむと思われます。例えば、備忘価格1円で帳簿に載っている資産でも、働いていれば使用価値での評価(新規再調達価額の5~10%程度)になりますから、例えば新規再調達価額が5千万円だとするとどういうことになるかお分かりになるかと思います。  もっとも、機械設備評価はまだメジャーではありませんから、その辺はまだ当分見過ごされたままになるかもしれません。  しかし、法人税の納税のため会計の数字を絶対視してしまうと予期せぬリスクも待っているわけですから、毎期時価評価しろなどという非現実的なことをお勧めこそしませんが、企業経営者の方には時価ベースの貸借対照表(B/S)というものが存在しうることは認識されておいた方がいいと思います。

   会計の世界は"形式多元実質一元"ですので、税務会計だけで全てを知ることはできません。利益を少なくした決算書を銀行に持っていけばそれだけ融資の枠は減るのですから。  カミソリ分筆地を隣地の所有者に買い取るように持ちかけるのは不動産の世界で昔からあったショーバイのやり方ですが、なんかそんな世界だなと思ったところです。 

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

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