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執筆者の写真Frontier Valuation

[第96回箱根駅伝]驚異的な記録はシューズの賜物?

今年も1月2日、3日に東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が開催され、青山学院大学の総合優勝で幕を閉じた。

今年の箱根駅伝でなんといっても特徴的だったのは続々と塗り替えられる区間新記録の数々であった。


近年、箱根駅伝は高速化著しいと言われているが、それでもここまで区間新記録が続出するのはかつて見たことなかった。

区間新記録が続出した要因としてシューズの進化が噂されている。区間新記録を出した選手はほとんどがNikeの厚底シューズを履いていたと言う。この厚底シューズはカーボンファイバープレート推進力を得られるため足に負担が少ないとされ、多少オーバーペースで突っ込んでも途中でスタミナ切れせずに持続できるとのことだ。


箱根駅伝の高速化は90年代から言われてきたが、90年代から2000年代あたりにかけては選手がレースの途中で怪我で故障して走れなくなり途中棄権するという、あまり見たくない光景を目にすることがあった。ところがこれだけ高速が指摘されながら、今年の箱根駅伝で途中棄権する選手は1人も出なかった。さらに、高速化は一部の有力校に留まらず、ほぼ全ての出場校で過去記録を大幅に更新している。復路の戸塚や鶴見で発生してしまう繰り上げスタートも、例年と同程度だった。また、ある大学では、90年代に優勝した際のタイムを上回っているにもかかわらず、今年はシードを逃している。今年のシード権のボーダーラインはちょうど11時間である。(優勝した青山学院大学はこれをさらに15分近く上回っているから、ものすごい記録である。)こうしたことから、厚底シューズが広く浸透し全体が底上げされたという説には説得力を感じる。



スポーツは人間同士の体力と精神力の戦いではあるが、近年は陸上だけでなく水泳競技の水着など、用具の進化による記録の進化も見られるようになった。勿論、選ばれしアスリートが最先端の用具を使って得られた記録であり、凡人が同じ物を使えば誰でも記録を出せる訳ではない。

 

好ましいことなのか、好ましくないことなのかはわからないが、用具の方にばかり注目が集まると、アスリートが埋没してしまう懸念はある。

そんな懸念もよそに、用具の進化は続いている。今年は夏に東京オリンピックが開催されるが、おそらく、人類未踏と言われる記録が生まれるに違いない。

 

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