top of page
  • 執筆者の写真Frontier Valuation

量子コンピュータとブロックチェーン。つぶしあうのか高め合うのか?

更新日:2019年11月27日

アメリカのグーグルが10月23日、同社で開発中の量子コンピュータが、世界最高のスーパーコンピュータでの1万年かかる計算をわずか200秒で行ったという論文を発表しました。   ■量子コンピューターとは

Wikipediaの解説によれば 量子コンピュータ (りょうしコンピュータ、英語:quantum computer) は、量子力学的な重ね合わせを用いて並列性を実現するとされるコンピュータ。 とされています。 これだけでは全く意味が分かりません。

ネットを探してみるとこんなページが。それでもかなり難しいかも知れませんが...。

「量子コンピュータ超入門!文系でも思わずうなずく!」- ferret https://ferret-plus.com/9474


ただ、ポイントとして押さえておきたいのは計算能力が桁違いに高いという点です。   ■ブロックチェーンとは

こちらもWikipediaの解説を読むと ブロックチェーン(英語: Blockchain、ブロックチェインとも)とは、分散型台帳技術または分散型ネットワークである。ビットコインの中核技術(サトシ・ナカモトが開発)を原型とするデータベースである とされています。 これだけでは意味が分かりません。 ブロックチェーンの仕組み 〜初心者のためのわかりやすい解説〜


ブロックチェーンは多数のユーザーの監視下にあり、改竄の危険性が低いところが最大の特徴です。情報をブロック化しチェーンで結ぶことで一箇所を改竄しても、チェーンで結ばれた他のブロックと矛盾が出てしまうため改竄が難しくなています。 その矛盾を確認する術として、情報をブロック化する際にブロックをようやくしたハッシュという値がつけられます。ハッシュは複雑で重い計算によって導き出されます。ハッシュは値をつけられた次のブロック以降にもデータが引き継がれるので、改竄するなら一箇所に留まらず、以降の多数のブロックを全て、しかも重い計算が必要とされるので、コンピュータの能力からして現実的には不可能ということになり、安全が確保されています。 ポイントとしては現在のコンピュータの計算能力では改竄が困難であるという点です。 ■矛盾ではないが

楚人に盾と矛とを鬻(ひさ)ぐ者有り。之(これ)を誉(ほ)めて曰(いは)く「吾が盾の堅きこと、能(よ)く陥(とほ)すものなきなり。」と。また、その矛を誉めて曰く「わが矛の利(と)きこと、物において陥さざるなきなり。」と。あるひと曰く「子の矛を以て、子の盾を陥さばいかん。」と。その人応ふること能(あた)はざるなり。 「どんな盾も突き通す矛」と「どんな矛も防ぐ盾」を売っていた楚の男が、客から「その矛でその盾を突いたらどうなるのか」と問われ、返答できなかった。つまり、どちらも正しいということはあり得ず、辻褄が合わなくなるのがその字の通り「矛盾」です。   一見、計算能力が極めて高いコンピュータと今あるどんなコンピュータでも破れないシステムの戦いだから、それは矛盾そのものではないか?と思ってしまうものの、量子コンピューターとブロックチェーンの問題はちょっと異なります。 量子コンピューターは今のブロックチェーンの前提となるコンピュータとは次元が違うため、結論は相当コンピュータ技術に精通した人であればハッキリわかるのかもしれませんが、量子コンピューターが現在のブロックチェーンを破る可能性も十分ありうるのではいでしょうか。   ■どちらが先? 仮に量子コンピュータが現在のブロックチェーンを破れるにしてもブロックチェーンが量子コンピュータに破られないためには、ブロックチェーンも量子コンピュータでマイニング(ブロックを作りチェーンでつなぐ作業)をすれば解決できるかも知れません。 ハッキングされる前に量子コンピューターレベルのブロックチェーンができあがればブロックチェーンは逃げ切れるだろうし、そうでなければ量子コンピューターをひっさげたハッキング集団の餌食になることでしょう。 量子コンピュータとブロックチェーン。つぶしあうのか高め合うのか? ここに来て量子コンピュータに関するGoogleの論文に対する疑義の意見も出てきました。量子コンピュータが本当に実用化できるか未知数な段階ですが、ブロックチェーンを含めた全てのネットワークのセキュリティ問題は早めに手を打つ必要がありそうです。

 

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

閲覧数:14回

最新記事

すべて表示
bottom of page