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インフラに支えられるオリンピック

最終更新: 2019年11月27日

1964年の東京オリンピックと言えば、首都高速道路の開通や東海道新幹線の開業、聖火を運搬したのは国産旅客機YS-11というように、オリンピックに合わせてインフラの整備も行われる。 2020年の東京オリンピックは1964年ほど革新的なインフラ整備はないものの、ここ数年の建設資材価格の高騰などから窺えるように、競技場のほか東京都内で道路インフラの整備が行われた。 開催1年前になって、マラソン競技などの暑さ対策が問題視されているが、もうひとつトライアスロン競技が行われるお台場海浜公園の水質が問題になっている。 先日、東京オリンピックのテストをかねて行われたトライアスロン・世界混合リレーシリーズ大会で、会場となるお台場海浜公園の海水から基準を超える大腸菌が検出され、水泳が急遽中止された。

各種のニュースによれば異臭を訴える選手もいたとのことであり、下水がその原因であるという。 しかし、一部競技が中止された翌日になると水質に問題がなくなったという。ネットを中心に、突然水質が良くなるなどおかしな話だと疑問の声が上がっているが、おそらくこれは分流式の下水が原因であることに間違いないだろう。  トライアスロン五輪会場、1日で水質改善「大腸菌死んでなくなった」

 https://news.livedoor.com/article/detail/16944514/   下水には汚水(トイレの水など)と雨水が流れ込んでいて、古い年代に整備された下水は汚水と雨水が一緒のところに流れ込む仕組みになっている。 下水処理場には処理能力の限界があるので、雨が降った時には設備が壊れないように処理能力を上回る分が処理場の手前で河川などにあふれ出すような設計になっており、そうすると未処理の汚水の一部も河川や海に流れ出してしまう。 こうした合流式の欠点が問題視され、最近では汚水と雨水を別系統にする分流式で下水が整備されている。 水質悪化で中止になった日の前日に雨が降っているのだから、雨で下水の流量が増え、オーバーフローした未処理水がお台場海浜公園に流れ込んだのだろう。 残り一年で下水を合流式から分流式に作り替えることはとうてい無理である。街中全ての配管を汚水と雨水を別々の系統に引き直す必要があり、とても1年でできる話では無いだろう。 高層ビルが経ち並び、一見華やかに見える東京も根っこは古いインフラに支えられてるのが現実である。 水質の安定した環境を求めるのであれば会場を見直すのがもっとも手っ取り早いだろう。 オリンピックは見えないインフラに支えられている。

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

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