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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

中古品のユーザー登録

以前手掛けた案件で、売主がメーカーから買付けた機械を組み合わせて組成された製造ラインの評価がありました。

 

製造ラインの場合、構成要素である個々の機械ごとに評価を考える必要があるのですが、そのうちのひとつの機械について問題が発生しました。

メーカーが「中古品なのでサポートを受けたければ登録料を払って下さい」と主張して情報提供に応じてくれないのです。

どうやら、売主はエンドユーザーでなく自らの名義でメーカーから機械を購入したらしく、メーカーは製造番号と機種名から、販売先の名義と異なることを理由にサポートを拒否していたようでした。

メーカー曰く「中古業者やオークションで中古品を購入し、我々には一円も払っていないのにサポートばかりを求めてくる」との理由で、販売で苦労する反面、自分たちの顔が見えないユーザーからサポートを求められるのは癪に障るというのが正直なところなのでしょう。

中古のユーザーとはいえ、別メーカーの機械のサポートを強要しているわけでもないし、新造品のユーザーであろうが中古のユーザーであろうが、商品の代金を受け取ることが出来るのは1度だけなのですから、差をつけなくてもいいのではないかとも言えるのですが、メーカーがサポートしないと言っている以上、そんなクレームをつけたところで仕方ありません。


中古品流通を嫌うメーカーも

こうした製品の場合、アフターサポートを受けるための追加費用を考慮しなくてはならないでしょう。もちろん、ユーザーが自分で全て修理をする能力を持っているなら考える必要はありません。例えば、事業譲渡などで売却後もメーカーのサポートなしに機械を管理できる体制で生産が継続できる場合などが考えられます。そのあたりは評価の前提条件をどうするかによって変わってきます。

 

機械の価値の「奥の深さ」のひとつとも言えるでしょう。

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