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ゆでガエルになってませんか?

  • 執筆者の写真: Frontier Valuation
    Frontier Valuation
  • 10月15日
  • 読了時間: 3分

ここ数日、世の中が激しく動きつつある。トップの交代が控えているので、この先どうするかの議論が出てくるのは当然である。 1990年代以降に社会人になった人の社会経験はほぼ、デフレ経済が前提となっている。 ある会合で、大先輩から「君たちはインフレ社会を知らないと思うが、インフレの社会とデフレの社会では打つべき手が全く違うから、早くインフレに慣れた方がいい」と教えられた。 ご存じの通り、デフレ経済は物価が下落していく社会である。物価が安くなるので、慌てて物を買ったり、設備投資をしなくても、しばらく待っていればモノの価格は安くなるためある程度のんびり構えることも許されてしまう。一方、インフレ社会は、価格が上昇していくため、モノの値段は高くなるから、物を買ったり設備投資をするなら早目の方がよい。早めに決断するには借金して買う必要もあるかもしれないが、金利もつく社会であるので、その頃合いを判断しなければならない。 資本主義経済は拡大再生産を前提としているので、適度にインフレであるのが望ましく、デフレ社会では投じた資金の回収が難しくなるから、設備投資に渋るようになり、次第に資本を縮小させてしまう作用をもたらす。 つまり、インフレとデフレでは経営の仕方が根本から異なるからインフレ社会での身の処し方を早く体得しなければならないということだ。 ご存じの通り、ここ数年、特にコロナ以降はロシアのウクライナ進行でエネルギー供給が偏っていることもあって、全般的にインフレ傾向になっている。 特に日本は国債の発行残高が多いことから、これ以上、過度に国債に頼ることができず、最悪の場合は通貨としての円の信認が失われてしまう危険がある。

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ところが、世間では景気拡大のため、国債発行による財政政策を歓迎する空気が強く、自民党総裁選後は株式市場が急騰する場面もあった。一方で円安が進み、国債発行による円通貨への信認の揺らぎが高まっていることも見て取れる。


「アベノミクス」をもう一度という声も多いが、デフレのどん底で始まったアベノミクスと今では置かれた状況が全く異なる。いつまでもデフレ前提で物を考えていると、全く逆の方向に進んでしまう。水に浸かっていカエルがだんだん温度が上がっていることに気づかずにいると「ゆでガエル」になると言われるが、同じことになりかねない。


もっとも、こうしたことはよくあることで、目の前のことに一生懸命になっているとつい周りの状況が見えなくなってしまう。常に少し引き目で見ることもやらなくてはならない。 現にこうしてコラムを書いても、今は生成AIの時代で、原文を見なくても検索系の生成AIがネットから情報をとってきてわかりやすい文章に直してくれる。サイトは直接見てもらえなくなるから、セレンディピティのチャンスも少なくなる。 だとすれば、なにも時間をかけてコラムを書く必要はないかもしれない。そろそろ、方針転換を考える時期なのだろうか。 やはり「ゆでガエル」になっていないか、見直さなくてはならない。


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