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  • Hideyasu Matsuura

レポートライティング講座

更新日:2023年6月9日

 先週5月20日に日本資産評価士協会主催のレポートライティング講座が開催されました。  レポートライティング講座は主に評価原論(POV)を受講して、これから評価人として評価書を書いていく人あるいは資格審査を受けられる方を対象にした講座ですが、既に実務経験を積んだ評価人にとっても、POVで習得したことを忘れてしまったり、実務をやっているうちについてしまった悪い習慣を見直す機会にもなるので今回参加してみました。  午前中は以前も拝見したことのある海外の権威ある評価人が書かれたレポートと国内の評価人が出されたレポートを題材に講義が行われました。午後は評価人資格の審査をされているチェッカーの方による講義が行われました。 有資格者は午前のみの受講が原則でしたが、午後の講義も聴講だけならOKとのことでしたので、時間が許す範囲でしたが聴講してきました。  日本の不動産鑑定評価基準では評価報告書の内容を細かく規定しており、記述しなければならない項目が決められていますが、機械設備の評価は国際評価基準(IVS)または米国鑑定業務統一基準(USPAP)に則って行われており、これらを中心に米国鑑定士協会(ASA)の要求事項を盛り込んで評価書を作成しています。いずれの基準も必須記載項目が列挙されていますが、日本の不動産鑑定評価基準ほど記載方法が細かくは決められていないのが特徴です。  このため、私が機械設備評価に最初に取り組んだ時はどのように評価書を作れば良いのか、非常に困惑しました。とにかく見よう見まねで、米国人の講師から提供されたサンプルの評価書をフロンティアのメンバーで和訳してそこにどんなことが書かれているか一つ一つ探りながら評価書を作っていきました。  その後、我々より先にASAで評価人資格を取得された大先輩にお目にかかることが出来、評価書を厳しくチェックしていただいたり、企業会計に関する評価で監査法人から指摘を受けた事項に注意を払うなどして、徐々にスタイルを確立していきました。  我々が評価書を書けるのもいろいろな方のお力添えがあってのことで、協力していただいた皆様への敬意は忘れてはならないものだと常に感じています。

 有資格者だから完璧でありたいところですが、残念ながら完全無欠というのは難しいことです。資格を取得する以前、評価人仲間と話をしていて私が「耐用年数を延ばして..」と発言したところ、「それはやっちゃダメですよ。POVで講師が『何でも出来てしまうから耐用年数をの変えてはいけない』と言ってたじゃないですか」と指摘されました。POVのテキストを見ると、確かに彼の指摘通り、耐用年数は一定で、さらに私の手書きのメモも残っていました。このように、習ったことを忘れて変なクセがついてしまうこともあります。  そんなこともあって、また、フロンティアのメンバーにも評価人資格審査員がおりますので、特に重要なものについては今でもチェックをお願いしています。    ベテランの専門家の方にお話を伺うと「若い頃に書いた書類を見ると、未熟すぎて恥ずかしくなる」と仰る方も結構いらっしゃいます。どちらかというと私もそちらの方です。  しかし、未だに知らないこと分からないことだらけですので、まだまだ改善の余地の方が大きいと思っています。

 そのうちAIに取って代わられる仕事なのかもしれませんが、何とかポジションを確保出来るよう、精進していきたいところです。

 

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