不動産のゴミは誰が片付けるの?

更新日:5月18日


 持続可能な開発目標、SDG'sがすっかり定着してここのところ、このワードを聴かない日はないくらいです。17の目標の一つとして「12.つくる責任 つかう責任」という項目があります。その中の具体的なターゲットとして、

  • 12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

  • 12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

といったものが挙げられています。

「空き家対策」をやっているんだからSDG'sに貢献してるんじゃないかと思う反面、あまりにも大きすぎる現実に直面すると、自らのやっていることに限界を感じるのです。


マイホームや趣向を凝らした商業ビル、オフィスビル。どんな建物でもやがては朽廃して取り壊す時期が来るのですが、建てるとき、作るときはなかなかそこまで頭が回らないのが普通でしょう。マンションでも修繕積立金はプールしていても、取壊積立金をプールしているところはおそらくほとんどないのではないかと思います。身近な物件で取壊費用の積み立てが義務づけられているのは太陽光発電設備くらいでしょう(廃棄等費用積立ガイドライン 2021 年9月公表 資源エネルギー庁 )。太陽光発電は各地で様々な問題を引き起こし、パネルに有害物質が含まれるなどと様々な指摘を受けてきたほか、そもそもがクリーンなエネルギーであることが売りであるため、このような措置が講じられるようになりました。 しかし、太陽光発電施設とは比較にならないほど沢山ある建物については取壊し費用のスキームなどまったくない訳で、取壊しができるか分からない建物の中にいながら、太陽光発電を批判するという矛盾があるのではないかと思うのです。 不動産の場合、売却の際に得た資金で古い建物を取り壊すことが行われていますが、これも売却価格より取壊しの費用が小さい場合には有効なのですが、土地値が安い地方では近年、年々下がる土地価格と年々上昇する解体コストにより売却価格より取壊し費用の方が高額になるケースが増えてきています。そうなると所有者は差額分の資金を他から調達しなくてはなりません。金融機関がSDG’sを叫んでいても壊す物のためにお金を貸してくれることはまずないでしょう。たいていの人は手が付けられずに放っておいて、最悪の場合には周囲の環境に危険を及ぼす特定空き家になってしまいます。 「つくる責任 つかう責任」もさることながら「棄てる責任」も社会全体で考えないといけない時期に来ているのは間違いないでしょう。少なくともこれから作るものに関してはMustでなければいけないくらいです。 理想を言えば捨てられないものは作らないのがいちばんなのですが、そこまで極端なことを言ってしまえば経済社会自体が持続可能でなくなります。バランスこそ大切なのですが、まだまだ「作ること 売ること」の優先度の方がはるかに高いのが現状です。 そんな状況ですから、要領のいい人にゴミの片付けを押しつけられないよう、ご注意ください。

閲覧数:11回0件のコメント