ここのところSDGsという言葉を耳にするようになった。 SDGsとは Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)の略語である。 外務省のサイトに拠れば、持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
と紹介されている。
わかりやすいようでなんとなく掴みにくいこのSDGsであるが、手っ取り早く理解できるよう、ゲーム形式の学習プログラムなども用意されているのだという。
その中で、『SDGs de 地方創生』ゲームを体験する機会があり参加してきた。
詳しいゲームの内容等は省くが、大雑把に言えばヒト、モノ、カネを回して事業を展開し、人口・経済・環境・暮らしの面での効果を高めていくカードゲームと言うべきものであろうか。
結果としては、"人口減少で誰もいなくなり、暮らし環境としては最悪。ただ、自然環境と経済面では少し恵まれている”という地域ができてしまった。ほとんど破綻状態である。
できる限りのことはやったつもりなのだが、それでも破綻状態になってしまった。できることは精一杯やったけど、結局何もできないままじわじわと状況が悪化して破綻してしまうという状況は将来の地方社会や経済においては現実に起こる可能性が高いだろう。
ヒト、モノ、カネの流れだけで考えるとなかなか地域に思い通りの効果が出てこないということ、さらに個人や企業の収益といった内部効果だけではなく、地域社会に対する外部効果も考えていく必要があることを実感させられた。
金に換えられるものが資産。金に換えられない、いわゆる「のれん」の属するようなものが財産であると言われる。我々は資産の評価の世界に身を置くが資産だけが企業に収益をもたらすものではなく、財産も大きなウエイトを占めていることは常々意識させられるが、財産は個人だけに属するものもあれば、地域全体で共有するものもある。 そういう意味では資産の評価などごく一部分の表層を切り取っているだけではないかと気付かされる。評価書を作る仕事を脱却して、資産だけでなく見えない財産を活かす方向に舵を取るべきではないかと自省したところである。
SDGs de 地方創生 https://sdgslocal.jp/
フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰
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