「実際使用年数」で迷う

最近、あることで、評価原論(POV)のテキストを見る機会がありました。


仕事に慣れないうちは、テキストやマニュアル首っ引きだったり、人に教えを請いながらひとつひとつ進めて行くものですが、何度か経験していると、そんなことをしなくてもできるようになりますし、そうでなければプロとして仕事ができるとは言えません。


一方で、仕事に慣れてくると、慣れや油断、思い込みが思わぬ結果を招くこともあります。

以前、本で読んだのですが、事故やトラブルを起こすのは新人よりもベテランの方が多いとも言います。

新人は緊張しながら一つ一つ丁寧に仕事を進めて行く反面、ベテランは平常心がややもすると緩みになってしまい、慣れから

来る油断や思い込みが手順を飛ばすというミスにつながるからであるといいます。


実はPOVのテキストを見ていて、「独自の用語」を使ってしまっていることに気付いたのです。


コストアプローチで物理的劣化を考える場合には主に使用年数/耐用年数分析を行います。


その公式は


通常耐用年数(NUL)=実際使用年数(EA)+残存耐用年数(RUL)


です。

難しいようですが、いいかえてみますと


使える期間 = 既に使った期間 + これから使える残りの期間


で、ごくごく当たり前のことです。


間違って使っていたのは「実際使用年数(EA)」です。

実際使用年数の「EA」はEffective Ageの頭文字を略したものです。 これをいつからか「実効年数」と記載していました。   Effective はWebiloによりますと

1 効力のある,有効な

2 印象的な,目立つ

3 限定用法の形容詞 (比較なし) 実際の,事実上の

4 限定用法の形容詞 (比較なし) 【陸海軍, 軍事】 実員の,実戦に使える. といった意味があるとのことです。 意味から考えますと「実際使用年数」「実効年数」のどちらでも間違いとは言えませんし、厳密な評価基準が無い世界ですので、定義づけすれば評価書で使っても構いません。 ただ、日本語として「実効年数」という表現はあまり洗練された表現ではないと思います。 一方、「実際使用年数」という用語も少し違和感を感じるのです。 「実際使用年数」というと、実際に使用した年数つまり、使用を開始してから評価の基準となる時点までの期間だと捉えるのが素直なようにも思いますが、評価上での Effrective Age は、使用開始~評価基準日までの期間そのものではなく、例えばオーバーホールの実施や整備点検で健全性が確保されているような場合には、使用開始~評価基準日までの期間よりも短くなるケースもあるのです。

そうなると「実際使用年数」ではなく「実質使用年数」の方がしっくりくるのではないか?と思うのです。 英語で書かれた評価基準やテキストを日本語に書き換えることからこの世界は始まっていますが、まだまだ訳がしっくりこないところや、そもそも原典を日本語に置き換えるのが非常に難しいようなところもたくさんあります。 10年間そんなところで苦労したり、逆にいろいろ勉強になって楽しかったりしたものですが、一人で考えるのではなく、同じ世界で活躍する人々とブラッシュアップしていかなければと思うところです。 日本国内ではなかなか活躍の機会のない機械設備評価の世界ですが、海外に後れを取ってやり込められることがないよう、活躍の場を与えて頂ければと切に願うところです。

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