■地方の航空需要が伸びつつある 日本経済新聞に興味深い記事が掲載されていた。
今まで需要がないとされたいた地方対地方の国内航空需要や海外の主要都市から国内の地方空港への人な流れが生まれつつあるというものである。 訪日客「地方へ直行」急増 25%が主要6空港以外へ: 日本経済新聞
空からの地方創生(下)増える「地方から地方」:日本経済新聞 日系の大手航空会社はいずれも東京中心の戦略を取っている。国際線も羽田や成田に集約して、羽田は国内から海外への乗り継ぎ、成田は海外から海外への乗り継ぎ需要を獲得している。 ところが、近隣諸国の航空会社が地方空港への直行便を開設して新たな需要を創出している。直行便ができれば乗り継ぎ便より利便性が高まるから、国内の航空会社の地方から海外への需要が食われることになる。 また、国内線でもフジドリームエアラインズなど、今まで国内であまり成功例がなかったリージョナル航空の分野で新たな需要を掘り起こしている。インバウンドの存在が大きいとされているが、エンブラエルやエアバスなどが大型機並みの快適性を提供できるリー時なるジェットを開発していることも大きいだろう。
■東京は中継基地でなくなる 少し前にこんな記事を目にした。
東京は世界都市といわれるが 、実際はイメージとは裏腹に国内企業が地方との分業によって地方からリソースを吸い上げる形で人口を増加させており、あまり海外から稼いでいないということをデータから読み解いている記事である。 この状態で地方と海外のダイレクトな人の流れが定着してくるとやがて東京の中継基地としての機能はいらなくなるのではないかとも考えられる。 別の見方からすると、何も地方が取引をする相手は東京に限らず、海外を直接相手にすることもできるということであり、なんでも東京からこぼれてくる物を口を開けて待っているこれまでの地方の生き方とは別の生き方も生まれてくる可能性があるということである。 しかし、上手く立ち回らないとそれでなくても疲弊している地方が海外勢に地域を占領されてしまうことも起きかねない。 ■航空機の高性能化がさらに人の流れを変える
最近はスウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんが環境問題をセンセーショナルに提起し「飛び恥」という言葉がヨーロッパでは流行しているという。 ヨーロッパの場合は陸続きで鉄道網も発達しており、早さを望まなければ航空機から鉄道にシフトしうる。
しかしアジア諸国は海に隔てられており、鉄道シフトは難しい。ヨットで海を渡れというのも現実的ではない。
そうなると人の流れは航空機に頼らざるを得ない。 中型旅客機のボーイング787は、デビュー当時画期的な航空機と言われた。炭素繊維を多用したり電動機構を増やして軽量化し、燃料効率を高め、今まで大型機でなければ飛べなかった長距離の飛行が中型機でも可能になり、需要が多くなかった大都市と中規模の都市を結ぶ長距離航空路線の開設が可能になった。 同じ波は小型機の分野でも起きていて、エアバスA321LRが航空業界を変える?の記事で御紹介したエアバスの長距離型小型機「A321LR」が昨年デビューした。そうなると、今までは航続距離の兼ね合いで難しかった東南アジアの大都市と日本の地方都市がダイレクトに結ばれる可能性が一層高まることになる。 地方創生は東京から降ってくる予算ではなく、アジアからやってくる人の流れを同様美混むかに命運がかかっているように思う。
Comments