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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

PV2019 太陽光発電展示会&フォーラム

更新日:2019年10月28日

7月10日(水)~12日(金)まで、パシフィコ横浜で「PV2019 太陽光発電展示会&フォーラム」が開催されている。

このイベントの中で 「太陽光発電事業の健全化のための評価」というセッションが開催されたので、聴講することにした。 内容は昨年発表された「太陽光発電事業の評価ガイド」に関することが主であった。 こうした評価ガイドが作成された背景としては、国民負担を低減しつつ太陽光発電事業の維持を図りたいという国の意向がある。

「固定価格買取制度(FIT)」の導入で、とりわけ低資本で参入が可能な太陽光発電の発電量が急増した。しかし、中には売電による収益だけに着目して発電事業者の責任について理解の乏しい新規参入者も少なくなかった。

国にとって電力事業は産業や国民の生活の基盤でもある重要な基本インフラのひとつで、長期にわたってかつ安定的にこれを維持していく必要があり、その一翼を担う発電事業にも長期安定的に供給を求めるのは国の責務としていわば当然のことである。 FITの買取期間は20年間であるが、2012年7月1日の制度改定から既に7年が経過していることや、太陽光発電では高圧の大規模物件(いわゆるメガソーラー)で固定価格での買取が終了し入札制に移行していることから、FIT後の舵取りの議論が急速に浮上してきた。 特に参入が容易で発電所数も多い低圧の太陽光発電所については問題が多い。本来は制度をじっくり練り上げてから実行に移すべきであったが、福島第一原発の事故のドサクサで政治的にゴリ押しされてしまったため、軌道修正を余儀なくされているのが現状である。 今後の方向性としては ①発電事業者の集約化 - 資本力があり事業を安定的に継続できる事業者へ物件を集約のためセカンダリマーケット(中古市場)の育成 ②不良発電施設の排除 - 危険な施設、環境上問題のある施設の排除 ③廃棄物のコントロール - 廃止された発電所や既存発電所の改修で出た廃棄物の処理

の3点が柱になってくる可能性が高い。

そのために評価ガイドを用いた適正評価が必要となるが、評価者の能力や資質の問題、評価コストの問題、評価を受ける機会をどう作るかの問題など課題は多い。 評価というプラットホームができているという点では米国鑑定士協会(ASA)や不動産鑑定士の資格者の要する当研究会が強みを持つ分野である。こうしたと強みを活かして日本資産評価士協会(JaSIA)と共に取り組んでいきたいと考えているところである。

 

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

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