「ゲコノミスト」という言葉をGoogleで検索しても検索結果に全くヒットしない。 私がこの言葉を初めて見たのは2019年6月11日である。 実はFacebookで新しい公開グループが立ち上がった。 ゲコノミスト(お酒を飲まない生き方を楽しむ会)
である。
私も全く飲めないわけではないのだが、アルコールには弱い方であまり量はいけない。 学生の頃はイッキ飲みの事故があって大学からは自粛を言われて言い渡されていたのに飲み会に行くとそんなことどこ吹く風で飲酒を強要されることがあり、社会人になってしばらくはまだまだ体育会系のノリが優勢の時代で、「飲めない」というと「付き合いの悪い奴」といわれて嫌な思いをしたこともしばしばである。
最近では未成年者の飲酒や飲酒運転に対する風当たりが強くなり「ハラスメント」という言葉が乱用に近いほど使われるようになった所為か、飲めないことに対して世間もだいぶ寛容になったと感じている。 そもそもアルコールが飲めないことは体質的なもので気合いでどうのこうのというものではない。中には少しでもアルコールが入っていると顔にででしまうような人もいる。以前お目にかかった方はバスの運転手だったが「宿泊先で粕漬けの料理が出ると顔が赤くなってしまうので一切箸を付けることができない」と嘆いておられた。
「ゲコノミスト」はひふみ投信で知られる レオス・キャピタルワークス の代表 藤野英人さんが立ち上げたグループである。藤野さんもアルコールNGとのことで、「平成の時代に冷遇されてきたゲコが令和の時代になって立ち上がる」とのコンセプトでこのグループを立ち上げたそうだ。 ゲコの悩み、ゲコに優しい飲食店などの情報交換の場になっているので、お酒が苦手なのが悩みという方は是非チェックして欲しい。
グループの投稿を見ているとゲコの苦労ぶりをうかがい知ることができる。社会はゲコに寛容になってきたとはいえまだまだ苦労は多い。特に居酒屋などの飲食業はフードでなくドリンクで利益を出す収益構造になっているから、アルコールをどんどん飲んでくれる客を優遇して下戸には冷たい店も少なからずあるようだ。もちろんソフトドリンクを注文してもいいのだが、そこはホンネなのかアルコールに比べて品揃えは貧弱で寂しいものである。 中にはソフトドリンクが充実している店は良心的な店というような独自の尺度を披露される方もおられ、なかなか興味深い。
これを機に飲食業界、飲料メーカーの皆様にもゲコノミストに暖かい支援の手を差し伸べて戴ければ幸甚である。
フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰
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