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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

ファーウエイ排除はファーウエイを利するだけ


中国の通信機器大手、ファーウェイに対しアメリカ政府が アメリカ企業との取引を原則禁止する方針を打ち出したことを受け、世界に波紋が広がっている。   コストと性能のバランスが良いファーウェイ端末を評価するユーザーは多く、実は私もサブ機としてファーウェイのスマートフォンを保有している。   アメリカ政府の措置によってファーウェイが受ける影響は短期的には大きいだろう。 ただ、長期的にはどうか。ファーウェイは中国政府の手厚い庇護を受けているという噂もあり簡単に破綻することはないだろう。部品供給が滞る中での生き残り策を強いられることになり、おそらく新たな部品供給先を見つけたり、新技術を独自に開発することになるだろう。 日本の製造業が競争力と技術力を高めた要因として、「試練」を理由にする見解は多い。

オイルショックで省エネ技術を高め、円高で為替リスクを回避し生産コストを下げる努力をして乗り切ったといわれ、試練がイノベーションを生み出したとも言われる。記憶に新しいところでは、中国がレアアースを禁輸にした際、レアアースを使わない製品を作る企業が現れた。   そうすると、今のファーウェイも同じ境遇ということになるのではないか。"窮鼠猫をかむ”の諺があるように、生き残りがかかれば誰でも必死になる。 もちろん、生き残り策が功を奏するとは限らないが、侮ることはできないだろう。 ここのところ、チカラで物事を解決する方向が好まれる傾向にあると感じる。トランプ政権のメキシコの壁に然り、北方領土の戦争発言然りである。ただ、国際関係は1回の関係で勝負が決まるわけではなくエンドレスのゲームであり、やられた方は必ずやり返す。やり返せないほど徹底的に相手を叩きの召さない限り、必ずしっぺ返しは来る。

  短期的にファーウェイを排除できても、長期的に見ればファーウェイを利することになる可能性は高いのではなかろうか。

 

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