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スーパーコンピューター「京」が役目を終える。

最終更新: 2019年2月7日

民主党政権下の行政刷新会議が行った事業仕分けで、「一位じゃないとダメなんでしょうか?」の質問が波紋を呼んだことでも知られるスーパーコンピューターの「京」が今年8月に停止し、撤去されるという。   神戸新聞NEXT-スパコン「京」8月停止 稼働7年、撤去へ 後継機を整備 https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201902/0012041690.shtml

 

事業仕分けのあった当時は、スーパーコンピューターの演算速度競争が熾烈で、処理速度のランキング1位になることに、それなりの価値はあった。当時、外国のスーパーコンピューターとの1位争いで、追加投資すれば僅かの期間ではあるが1位になれることから、その追加投資の是非について事業仕分けの俎上にあがったのである。    この話には伏線があって、そもそも「京」は開発時からグローバルスタンダードに乗るのか日本独自の方式にこだわるのかでゴタゴタが続き、さらに「京」自体も設置に広大なスペースを必要とし、電力消費も激しいといった欠点を抱えていた。そうした、使い勝手まで考えた性能という意味では「京」は決して傑作だったとは言えず、速度面で瞬間一位を獲得するくらいなら次世代機の開発に予算をつぎ込むべきではないかという意見も出ていたのである。 しかしながら世間一般では「1位」を取ることばかりに議論が集中してしまい、肝心のコンピューターとしてのトータルの性能は深く議論されなかったことが残念であった。

記事中では、 理化学研究所計算科学研究センターのコメントとして「他の研究機関などへの移転も含め、活用の道を模索したが、運用や保守にかかる費用から現実的ではないと判断した」 と書かれているが、やはり、当時「京」の欠点として議論されていた"使い勝手"という点が足を引っ張って、まだまだ有用性はあるにもかかわらず寿命を縮めてしまったような印象を受ける。

 

ちなみに現在は、速度ばかりを重視して電力爆食なスーパーコンピュターはあまり好まれず、トータルバランスが重視されているという。資産の所在する国やその時代よって求められるものは変化していく。その辺をしっかり見極められないと超過資本コストつまり無駄な投資を生み出すことになりかねない。マーケットの見極めは重要である。

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