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「設置費用は償却するか」??

最終更新: 2018年11月21日

私がJaSIA-ASA国際資産評価士(機械設備)養成講座の第一期生として最初のPOVの授業に臨んだのが2011年の4月である。

会場は国際基督教大学の大ホールで80人近い受講生が集まった。

席は自由席でどこに座ってもOKだったので、適当な席に座った。

隣席におられたのは大手会計ファームにお勤めの公認会計士の方で 海外での経験もある輝かしいキャリアをお持ちだったので、少々ビビってしまったのを覚えている。 米国人講師の解説も同時通訳のレシーバーなしで聞き、英語で質問されるまさにグローバル人材である。

とはいえ、授業が始まるとエクササイズなどもあるため、凡人の私ともいろいろと打ち合わせをしたりする。

講義でまず最初に出された課題が、ベルトコンベアの再調達コストの算定で、テキストに載っているベルトコンベアの詳細なスペックチャートを参考に、全ての部品の単価を見積もってベルコトンベアのコストを算定しろという問題だった。

さすがにこれは私も隣席の方も参ってしまった。 やはり誰でも知っていること、知らないことはあるのである。

勿論これは例題で、実際にそういった作業をやることはほとんどない。また、実態としてベルトコンベアを自作するのは高度な技術が必要でなかなか難しく、自作する場合でもキットを使うことがほとんどのようである。

いろいろなエクササイズをやっていくうちに疑問が出てきた。 設置コストである。コストアプローチで評価を行う際、本体+設置コストについて物理的劣化に基づく減価を計上することとされており、世間一般でも減価償却などのようにそれに類した処理が行われるのが通常である。

しかし、設置コストの市場価値はサービスの対価である。 また、中古のものでも運んで設置すれば新品のものと同様のものであれば、同様のコストがかかるはずである。 市場価値とするならば設置済み資産の評価であれば現行コストでもいいのではないか。 だから、少しおかしいのでは?などと考えていた。しかし、「常識外れ」だから口に出しては言いにくい。

ところが、しばらくして隣席の方も同じようなことを言い始めた。 私より優秀な人がそう考えるなら、やはりそういう考え方も成り立つのかなと妙に納得したものである。

最近、そんなことをふと思い出した。 結局、「世間一般のやり方」で業務は処理しているが、もしかするとそのうち設置費用の処理について議論になるかもしれない。そうなったとき私は「世間一般のやり方だから」という論調で議論を封じることになるのか、あるいは「今までそうやってきたけど、もう一度考えてみるか」となるのだろうか。

もしそういうことを考え直す機会があれば、とことん考え直してみたいものであるが。


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