先日、ASAのWebinar、ME148 The Art of Benchmarkingで、
"Battery Limits"という聞き慣れない言葉が出てきた。
調べてみるとプラント建設や設計に関連した用語のようである。
WIKITECH エンジニアリング・化学技術情報 というサイトでは
意味
Battery Limit
和訳:バッテリーリミット
内容 プラント建設等の場合において、責任を有するプラント範囲を示す境界の事であり、図面上に区画で示す。パイプなどの部分的な取り合いによる境界は、”Tie-in point”と言う。 という解説が付されていた。
一方、講義の資料ではBattery Limitsの定義について 「所定の能力で特定の製品を生産する工場を建設するために必要な総投資額の基準」 といった解説が付されていた。
2つの定義にはだいぶ違いがある。同じ言葉が分野によって違う意味で使われることは珍しくはないが、たまたま一致した出自の異なる用語なのか、エンジニアリングの用語が派生して評価の世界で使われているのかは定かではないが、一団となるプラントの範囲あるいは能力といったニュアンスで類似性があるように思える。 エンジニアリングの用語そのままの意味で捉えた場合でも、少なくとも評価のスコープ・オブ・ワークとも関連しそうである。
評価において特にダブルカウントは架空の価値が計上されてしまうことになるので御法度であり、物的な特定や価値、価格の範囲については明確にしなくてはならない。
講義では"Battery Limits"によって新規再調達コストを求める方法について解説があった。具体的には信頼性のある資料を用いて能力当たりの投資額を把握し、評価対象の新規再調達コストを求めていた。この考え方で行けば生産能力からダイレクトで新規再調達コストが求められそうである(実際の投資額の現在価値と差があればそれが超過資本コストとなる)。 但し、能力当たりの投資額のデータを導き出すことは容易ではないため、高度なテクニックであることには間違いない。
米国鑑定士協会認定資産評価士(機械・設備) 松浦 英泰
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