機械設備評価を行う上で重要な情報というものはいろいろとあるが、
意外と忘れてしまいがちなのが重量の情報である。
重量、すなわち機械・設備の重さの情報が何故重要なのか。 機械や設備は新規に購入して事業活動に投入される。 この際の取得原価が重要な情報であることは言うまでもない。 一方、寿命を迎えて処分されることになった場合はどうなるか。
大抵は、解体処理を専門とする業者に引き取られるが、解体業者もただ引き取るだけではビジネスにならないから、解体してでた発生材料を売却して収入にする。
こうした発生材料の価格は大抵「重量あたりいくら」となる。
中古機械取扱業者に「この機械いくらで買ってもらえますか」と聞くと、ある程度使った機械の場合「トン3万円ですね」などと回答されることが多い。
これは、売却できずにスクラップにすることも考慮した値付けのようだ。
したがって、スクラップバリューを考える場合には重量が重要というわけだ。
実際、競売の評価に精通した弊社組合員に聞くと「競売の機械評価の世界は『秤を持ってこい』の世界だ」とのことである。
勿論、秤を持ってきたところで巨大なプラントの計量などできない。 所有者に資料を求めてもなかなか精度の高い資料を得るのは難しいのが実態である。残念ながら、そこでどのように処理するかは評価人の工夫次第としか言いようがない。
2016.12.7
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