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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

2020年までにHACCPが義務化される

更新日:2018年11月21日

先月、東京ビッグサイトで開催されたFOOMA JAPAN 2017(国際食品工業展)においても、多くのブースで取り上げられていたのはHACCPである。

厚生労働省のサイトの記述によればHACCPとは「食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染等の 危害をあらかじめ分析( Hazard Analysis ) し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという 重要管理点( Critical Control Point ) を定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理の手法で、この手法は 国連の国連食糧農業機関( FAO )と世界保健機関( WHO )の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたもの」であるという。

このHACCPに義務化の動きがある。 時期は決定してはいないようだが、国際的な要求があることからHACCP2020年頃までに義務化されると言われている。特に2020年は東京オリンピックが開催される年であり、海外から多くの訪問者が見込まれることや経済界全体もオリンピックをマイルストーン的に捉える空気が強いことから、2020年以前ということはほぼ間違いないであろう。

HACCPの根幹をなすものが、コーデックスのガイドラインで、食品衛生の一般原則(GENERAL PRINCIPLES OF FOOD HYGIENE CAC/RCP 1-1969)で7原則12手順が示されている。日本もこのガイドラインへ準拠することを国際的に求められている。

厚生労働省では2016年2月~12月にかけて「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」を開催し、同年12月に「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」の最終とりまとめを公表した。HACCPによる衛生管理の制度化を具体的に進めるために、各食品等事業者団体が手引書を作成することとされており、その助言、確認に際して専門家の検討が必要となるため、「食品衛生管理に関する技術検討会」を開催しているところである。

制度化に際しては、コーデックスのガイドラインに基づくHACCPの7原則を要件とする「基準A」とコーデックスHACCP の弾力的な運用を可能とするHACCP の考え方に基づく衛生管理を要件とする小規模事業者や一定の業種等を対象とした「基準B」が設けられ、それぞれに適合することを求めることとなる。 具体的には大規模な食品工場や食肉加工など高度な衛生管理が求められる施設についてはより厳格な「基準A」への適合が求められ、それ以外の小規模事業者等については、弾力的な運用による「基準B」への適合が求められるとのことである。

基準Aに適合する場合は工場内はもちろん、従業員のスペースに至るまで広範に管理を行う必要が出てくるが、「基準B」でどこまで要求されるか、各事業者団体が作成する手引書の内容を注視する必要がある。

評価上は衛生基準への適合の状態も考慮に入れなくてはならないだろう。調理器具ひとつにとっても、分解・丸洗いが可能な対応機器を揃える必要があり、これに対応できない機器は機能的・経済的退化によるペナルティを考慮する必要が出てくるであろう。


 

※この記事は2017年7月11日に有限責任事業組合日本動産評価フロンティアのコラムで発表したものを再掲したものです。

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