先週の6月13日(火)~16日(金)にかけて、東京ビッグサイトでFOOMA JAPAN 2017(国際食品工業展)が開催された。 主催は一般社団法人 日本食品機械工業会で昭和53年から開催され今回で40回目だったという。
たまたま食品関連の機械設備について調査する必要があったため、ビッグサイトに足を運ぶことにした。
東京ビッグサイトではほぼ毎日のように様々な業種が見本市を開催されている。 機械設備の評価人にとって見本市で情報収集することは必須の業務の一つである。
マーケットについて知る絶好の機会になるし、新規再調達コストの把握や機能的退化、経済的退化の程度を知る上では最新の機種との比較は欠かせないものであるから、見本市で最新の機械設備の情報を知っておく必要があるからである。
とはいえ、毎日東京ビッグサイトに通うわけにも行かないので、各評価人の得意分野、専門分野あるいは業務上必要性がある分野に絞らざるを得ないのが残念なところである。
食品業界において喫緊の課題はやはり、衛生面、安全面のリスク管理といえる。
大規模な食品回収騒動は頻繁に起こっているが、メーカーにとっても消費者にとっても痛手となる。
実際に食品回収騒動の際に詳細をみると、これなら食べても問題はないのではないかと思うこともあるが、リスクを最大限に減らすという観点からすると致し方ない。
こうした騒動を起こさないためにも、安全上優れた機器を導入し、従業員教育や品質管理を徹底するのが経営の大きな役割になっている。
特に目についたのは従業員の採用難を克服するための自動化機器や、安全管理手法であるHACCPやHACCPと密接に関連する食品安全マネジメント規格ISO22000に対応できる機器である。 HACCPは全事業者に義務化される方針が打ち出されており、特に対応が急務になっている。 公正価値評価においてもこうした要因は無視できるものではなく、評価人が知っていなければならない事項になってくるだろう。 いくつかのブースでスタッフの方とお話しすることもでき、定期的な機器の入れ替えをして行かないと製造施設としての競争力が落ちてしまうが、人口減少の予測があるため特に中小では設備投資に踏み切れず、負のスパイラルに陥ってしまうケースが多いという声が多かった。 また、自社の製品についてわかりやすく解説して下さるスタッフの方もおられ、大変いい勉強もさせていただいたと感謝している。 一方で、注目が高まっているIoTやデジタル化という面では少し物足りない印象がした。 ここの機械は工作機械のNCのような操作パネルを備えたものが多かったが、システムとしてどう組み込まれるかが今ひとつ見えなかった印象である。また、あるブースのスタッフによれば、調理機材には詳しい人が多いが、ボイラーや汚水処理のようなユーティリティには無頓着な経営者が意外と多いとのことであった。個々の機械の進化と共にそれらの機械をシステムとしていかに融合していくかが課題のようである。
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