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[環境規制と評価]造船業界は環境規制の強化に対応できるか?

最終更新: 2018年11月14日

ニュースサイトの「乗りものニュース」に興味深い記事が掲載されていました。

造船「日本はずし」の危機? 間近に迫る環境規制、対策は難航か https://trafficnews.jp/post/61694/

記事に拠れば、今年10月下旬に国際海事機関が硫黄酸化物排出規制の強化を打ち出し、2020年の1月1日以降、新造船はもとより既存船を含むすべての船舶に適用される予定であるとのことです。

この規制に対応する方策としてはいくつか選択肢があるものの、国内の海運会社は燃料コストや追加装置の負担コストなどを勘案して、どのような方策をとるべきか対応に苦慮しているようです。 欧米の海運会社はLNGを燃料とする船舶の確保に大胆な投資を行い、生産能力の追いつかない欧米の造船所の需要を中国の造船メーカーが取り込みはじめているとのことです。

船舶の世界でも環境対応の強化は近年キーワードになっているようで、LNGの世界最大の輸入国でもある日本はLNG船の開発に力を入れつつあるようです。 中国は鉄鋼業界のほか造船業界でも生産能力が過剰となっており値下げ圧力が強まっていますが、高付加価値とみられていたLNG船舶の分野にも中国の造船業界が早いうちから乗り込んでくるとなれば日本の造船業界は苦しいものとなるでしょう。


しかしながら、昨今の環境規制のスピードは欧米を中心に加速度的に早まっている感があります。技術的に本当にキャッチアップできているのか、自動車分野でのフォルクスワーゲンによる燃費不正事件をみてもやや懐疑的になるところです。 また、規制の強化が諸物価に与えるインパクトも興味深いところです。コストの増大は海運会社の経営にも影響を与えることが考えられ、運賃にも関わってきます。船舶の資産価値についても大いに関連するため、評価の立場としても情報の収集、分析を進める必要があるでしょう。

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