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  • Hideyasu Matsuura

ネットで入手できるデータで実効再生産数を求めるには

更新日:2022年5月18日

COVID-19はオミクロン株の流行で、第6波と言われる感染拡大の状況にあります。

ここ一週間くらいで、感染のピークを越えたと見られるものの、以前感染者数は高水準でまだまだ油断はできません。   感染状況を見る一つの指標として実効再生産数というものがあります。実効再生産数は、既に感染が広がっている状況において、1人の感染者が次に平均で何人にうつすかを示す指標です。実効再生産数はRtで現され、Rt>1.0であれば、一人の感染者が一人以上にうつすということになりますから、感染拡大傾向、一方、Rt<1.0であれば、一人の感染者が一人にうつすかどうかということになりますから、感染は縮小傾向ということになります。 このRtが1.0を切るのがいつかと言うことでネット上では専門家が議論を繰り広げていました。第6波の流行が早かった沖縄や広島、山口などでは2月の初旬にの水準に落ち着いており、東京などでもここ数日1.0を切る水準になり、ピークアウトと言える状態になりました。 ネット上では東洋経済などが特設のサイトを設けてこの実行再生産数が見られるようになっていますが、新規感染者数のデータがあれば、個人でも簡単にすることができます。 もっとも、ここで知ることができるのは速報性を重視した簡易の数値です。実際の学術的な議論はさらに精緻な分析が加えられると言うことなので、あくまでも目安の指標ということでご理解下さい。 この式は京都大学の西浦博教授の監修による簡易式で

実効再生産数=(直近7日間の新規陽性者数/その前の7日間の新規陽性者数)^(平均世代時間/報告間隔)

とされています。

比較的使いやすいのはNHKのサイトで公開されている新規感染者数データで、https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-widget/ のサイトからCSV形式のデータをダウンロードすることができます。 このデータをダウンロードすると、D列に「各地の感染者数_1日ごとの発表数」がありますから、この数値を使います。




数式を入れて確定させたら、下までグーッとドラッグしていきましょう。 数式を確定したら、下までグーッとドラッグしていきましょう。 数式が自動的にコピーされていきます。


この辺は説明するまでもないと思いますが...








今度は、もう一列空の列を挿入します。 ここに"実効再生産数=(直近7日間の新規陽性者数/その前の7日間の新規陽性者数)^(平均世代時間/報告間隔)"

に相当する数式を入れていきます。

上図のF14のせるに式を入れるとしますと、直近7日間の新規陽性者数→E14、その前の7日間の新規陽性者数→E8になります。 そして平均世代時間は「5日」、報告間隔は「7日」にします。 但し、平均世代時間についてはオミクロン株の特性からして「2日」の方が実態に合っていると言われています。前出の東洋経済のサイトでも、2月10日から「平均世代時間」を従来の5日間から2日間に変更する修正を行っています。

数式は =(E14/E8)^(5/7) となります。 平均世代時間を2日にする場合には、 =(E14/E8)^(2/7)

として、あとはドラッグします。 この数値をグラフにしていけば、実効再生産をグラフで示すことができますし、ニュースなどで発表される最新の数値を入れていけば、パソコンの前で簡単に最新の実効再生産数を知ることができます。


もっとも、この数値は一つの指標に過ぎませんし、上記の作業でやってきたように過去の数値から出すものですから、未来の動向を読むことができるものではありません。 あくまでも感染の傾向を知るツールですからRt<1.0になったからと言って、マスクをせずに祝い酒で歓声を上げるなどということはくれぐれもなさらないようにお願い申し上げます。

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