有り難いことに、近年、動産評価をご依頼いただける場面が増加してきました。
特に会計監査で必要とされる場合に民間企業からご依頼を受けるケースが多いのですが、最近では国税局あるいは裁判所からご依頼をいただいたという話も、日本資産評価士協会(JaSIA)の会員向けセミナーで紹介され、官の分野にまで採用が広がっていることには嬉しい反面、身の引き締まる思いがしました。
どんな世界でも同じですが、実務に従事するとテキストには書いていないことも多く、経験者にアドバイスを頂いたり、書籍を頼りにした上で試行錯誤ということになります。 しかしながら、広く社会に浸透しているものならともかく、新しい分野には経験者も少なく、更に書籍となると出版ビジネスが成り立つはずもなく絶望的に少ないことが悩みの種です。 そんな中で動産評価に従事する人にとってバイブルとも言うべき書籍が出版されています。
「PPAの評価 —無形資産・動産の基礎から実務まで」中央経済社 山本智貴 金子竜平(著) 定価3,700円(税別)
動産の評価の著者は金子竜平さんで、日本の動産評価で真に草分け的存在の方です。
評価手法のみならず、評価対象の決定から評価業務の終了までの一連の流れを網羅しているばかりでなく、評価対象となることが多い資産の仕組みや構造にまで踏み込んで解説しており、ASAの評価人ライセンスを保持している方であればこの一冊が評価業務を行う上で大きな参考になるはずです。
以前ご紹介したEY Japanの「M&AにおけるPPA(取得原価配分)の実務」もAmazonでは、まだ在庫があるようです。
動産評価に関する書籍が他にも出版されること、そして疑問点を検索した時にこのコラムがトップに出てくることがなくなるよう、様々な情報発信がなされることを願ってやみません。
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