超音速機が再登場?

今朝のロイター通信社の記事によれば、アメリカのユナイテッド航空が航空機ベンチャー企業のブーム・スーパーソニックから、超音速機15機を購入することで合意したとのことです。

米ユナイテッド、超音速機購入へ 飛行時間短縮 (ロイター)
https://reut.rs/3uNSyKR

 超音速旅客機と言えば、かつて飛んでいた「コンコルド」を思い浮かべる方が多いかと思いますが、コンコルドは現在一般的な亜音速のジェット旅客機(ボーイングやエアバスなどの旅客機)とはエンジンの仕組みが異なるため、高騒音、高燃費であり、世界の空港から締め出され、航空会社からも敬遠されるようになり、実際に運航したのは共に製造国であるイギリスの英国航空とフランスのエールフランスの2社のみでした。 2000年にパリの空港で墜落事故を起こし、運航が停止になったあと復活はしたもののその後短期間で引退に追い込まれました。  就航当時は、将来的に旅客機は超音速機に移行すると考えられ、ボーイング747の先頭部分が部分的に2階建てになっていたのは、超音速機に移行後貨物機に転用することが考えられ、先頭部分から貨物の積み卸しをしたり、貨物の搭載容量をアップするためだったといわれていましたが、当初想定されていたような進化はおきず、その後の改良で747の2階建て部分が延長された新型も登場しました。その747ですら、経済性を理由に敬遠されるようになってしまった昨今です。

"音速機"になるはずだったB787


 その後、ボーイングは747の後継型の超大型旅客機747Xの開発に着手しました。 しかし、ライバルであるエアバスがA380の開発を始めると、超大型機市場で供給過多になる懸念から、747Xの開発を断念し、代わりにソニッククルーザーという音速に近い速度で巡航できる旅客機の構想を発表しました。

 残念ながら、こちらも経済性や環境性能を優先する航空会社のニーズにマッチせず、経済性を重視した中型機として実用化されました。  環境問題に対する意識はその後格段に高まっており、特に航空分野は二酸化炭素の排出源として問題視される風潮が強くなっています。原油価格も高止まり傾向であることも航空会社が経済性を追求する要因になっています。



新たな超音速機は誕生するか?


 音速機ですら生み出すことが難しかったのに、当時より経済性、環境性能の要求が高まっている中で超音速機を生み出すことができるか、少し考えればハードルが高いことだと分かるはずです。

 ブーム・スーパーソニックは100%持続可能な航空燃料を使用することを考えており、CO2の排出は実質ゼロになると目論んでいるといいます。ただ、現段階では現在のジェット燃料であるケロシンに替わる燃料にはコスト面で課題があるといいます。

 2029年に商業サービスに投入する計画で、それ以前から実証試験が行われることを考えるとかなりタイトなスケジュールであることは間違いなく、果たして経済性をクリアできる超音速機に仕上がるかは未知数な部分も多いと思われます。    挑戦なくしてイノベーションなしですから、厳しいとは思うものの新しい世界を切り開いてくれればと思います。 United Adding Supersonic Speeds with New Agreement to Buy Aircraft from Boom Supersonic -United Airlines


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