7.反倫理的及び専門家としてあるまじき行為
7.1 成功報酬式手数料
7.2 パーセンテージ方式手数料
American Society of appraisers(ASA)の倫理規定では成功報酬式手数料やパーセンテージ方式の報酬の受取は禁止されています。
成功報酬式というのは依頼者から指示された価値で評価書を書いた場合に報酬がもらえる形式の契約です。
平たくいえば「評価人が買収されてはいけない」ということ。お金さえ出せばなんでも書いてくれる「評価屋」は評価士としてあるまじき行為であるとされています。
特に、海外の評価人は厳格な対応をするケースが多く、成功報酬であるとの誤解を招かないために、評価価値(評価額)を提示する前に報酬を受領することが一般的とのことです。報酬を頂く立場としては非常に勇気がいることですが、こうした対応を取ることで評価制度への信頼を守っているそうです。
また、パーセンテージ方式の手数料も一般的には商慣習としてよく採り入れられているもので比較的目にすることも多いのですが、鑑定評価の世界では「報酬を増やすために高めの価値を出している」との誤解を避けるため、評価額に対してパーセンテージ乗じて報酬額を算定することは禁止されています。
弊社でも他の専門職種等とも比較を行って適正と思われる時間単位の報酬に対し、作業に要する時間を乗じて得た価格に、必要諸経費、技術経費等(評価士は資格や技倆維持のため年間数十万円の経費がかかっています)を加算した報酬をお願いしています。
このように、評価人の公正中立を確保し、御依頼者や社会一般から信頼を得るため、報酬の受領方法にまで厳しいルールが課されています。これが世界基準の評価の世界です。
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