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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

資産台帳はきちんとチェック

実際に、目の前にある機械が台帳からごっそり抜け落ちていて、こちらで調査してリストを作らなければならないかと思ったところ、その機械だけは関連会社の所有になっていて改めてリストを戴くことができた経験がある。 また、除却されている資産が台帳には残っていたり、他の事業所に移設されていたりというケースもある。予め御依頼者の担当の方から誤りがあることを事前に説明して頂けることもあれば、調査を始めて初めて気付くというケースもある。 機械ではないが、建物の調査でもはるか昔に除却した建物の登記が残っていて、工場でいちばん古くから働いている方に来てもらって経緯を説明して頂いたこともある。ちなみに説明頂いた方は定年間近ということで、あと少し調査が遅ければ実態が分からなくなっていたかも知れない。

確認が大事

また、間違いではないが、台帳に記載する過程で経理上やむなく手を加えられていることもある。異なる機械の工事を一括して業者に発注し、明細が分からない場合は経理の担当者で工事費用を按分して処理している場合などがそれだ。 どのような評価をするかにもよるが、基本となる数字を高い精度で把握するためには、資産台帳はしっかりと内容を確認する必要がある。一方で、特に年数が経過しているものについては確認ができない事実もあるかもしれないから評価上の精度には限界があることを評価人が認識して説明する必要もある。 「ダブルカウント」は評価対象をしっかりと確認することで、ある程度防ぐことはできる。大規模な資産で複数の評価人が作業を分担する場合、あるいは不動産と機械設備の評価を同時並行して行う場合は、担当者間でどこで線引きするかを明確にしている。 ただし、聞いた話では資産台帳上に既に潜んでいるケースも少なからずあるという。しかも、その状態で償却資産として申告されて償却資産の固定資産税が課税されていたりするから、完全に無駄なキャッシュアウトに繋がる危険性すらある。 資産台帳が現実の資産の状況を反映しているか、きちんとチェックする必要性は高いのである。

 

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