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有限責任事業組合(LLP)制度の賢い利用法

最終更新: 2019年4月19日

弊会の前身は「有限責任事業組合日本動産評価フロンティア」である。   有限責任事業組合( Limited Liability Partnership で略してLLPとも呼ばれる)という制度は 2005年8月1日から施行された「有限責任事業組合契約に関する法律」により制定された事業体の枠組みであり、民法上規定されている「組合」の特則である。  

制度化されて約15年になるものの、あまり耳にすることは少ない。 2013年に日本動産評価フロンティアを立ち上げた際に、銀行口座を開設したいと言うことになったのだが、会計担当がメガバンクの窓口に出向いたところ、窓口の担当者から「そんな制度は知らない」と言われたほどである。   LLPの最大の利点はパススルー課税である。

どういうことかというと、LLPには法人税がかからない。組合員に分配したところで初めて課税の対象になるというものである。一方で、法人税がかからない故に法人格は認められない。海外ではLLPでパススルー課税の対象であっても法人格を認めている国もあるといい、LLPの制度創設時に制度を提唱した経済産業省が税務当局に法人格を認めるように掛け合ったが認められなかったという話も聞く。 法人格が認められないと言うことは、会社として独立の存在にはならず、組合員間の共有ということになる。また、契約する場合にはLLPの名称を冠した組合員の名前で契約を行う。 こうした特性から、独立した法人として許認可を必要とする業種には不向きで、許認可を必要とする業種でLLPを結成するとすれば、免許を持った複数の会社が組合員になるという方法でやるしかないだろう。  LLPはどちらかと言えば会社に替わるスキームというより、特定のプロジェクトなどを同業の複数社で協働して行う場合のスキームとしての方が有効性は高いのではなかろうか。 日本動産評価フロンティアは不完全燃焼のまま終わってしまったといわざるを得ないが、協働でプロジェクトをする機会があれば使いたいスキームである。

フロンティア資産評価研究会 松浦 英泰

 

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