第2回 空き家問題の各省庁割り
前回「空き家問題の間口が広い」という話をしました。今回はそれをもうちょっと掘り下げて「空き家問題の各省庁割り」についてお話ししたいと思います。
ですので「川西市空き家対策ナビゲーター養成講座」はちょっと先延ばしです。
さて、日本は大きな国なので、たくさんの官公庁によって仕事を分担しています。
そのことで「縦割り行政だ!」って声を荒げる人もいますが、それは本題から逸れるので置いときます。
例えば、個人的に一番興味のある「所有者不明土地問題」。九州1個分の土地の所有者がわからないぞ~!って最近話題になっているトピックです。
この問題について「所有者の分からない土地を、地域の役立つ土地に」というキャッチフレーズに、新しい特別措置法案が閣議決定しました。
「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案」と云います。そのままの名前ですね(笑)。
この特措法案の窓口は「国土交通省」。
そして関係省庁として、土地の在りかをハッキリさせるのに不可欠な地籍調査は「法務省」、暴力団排除は「警視庁又は道府県警察本部」、不動産登記や戸籍謄本等については「法務局」、固定資産税課税のための所有者情報等については「総務省自治税務局」、農地に関するものは「農林水産省経営局」、林地に関するものは「林野庁」などとなっています。
もちろん、壁を取り払う工夫はされており、それを動かす大きな枠組みとして「国土交通省土地・建設産業局」と「法務省民事局」が協力することになっています。
さらに地方レベルだと「地方整備局用地部等」と「都道府県等」と「法務局」が連携することになっています。
さあ訳が分からなくなってきましたね。
要するに、これだけ一筋縄でいかないと云うことです。
さて、問題が各省庁にまたがっていることは理解していただけたでしょうか?
不動産鑑定士 関 敦生
空き家対策最前線 <第1回> はじめに
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