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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

物価指数と取得価格の衝突(2)

更新日:2020年9月1日

物価指数と取得価格の衝突(1)から続く この2つの選択肢からであれば、【方法2】を選択するべきだろう。


なぜなら求めるものは新規再調達コストであり、同じ物の新規価格が明確に分かるのであればその価格を持って新規再調達コストとすることが最も適当だからである。

傾向法はあくまでも、信頼できる物価指数等を用いて過去の取得価額から現在の新規コストを推定するものであり、推定値と事実としての数字があるならどちらが寄り説得力を持つのかは自明である。


知り合いの評価士資格者にこの場合にどうするか聞いたみたところ、やはり全員が【方法2】をとると答えてくれた。


そもそも、ASAのPOV(評価原論)の講座では、傾向法を安易に利用することは避けるべきだと教えられる。評価対象資産と評価時点で最新の評価対象資産と同種の資産との比較検討は本来、評価士の知見が最も試される場面であり、そこをEXCELで数字を引っ張るのみで終わらせてしまうのは評価士の価値をかなぐり捨ててしまうことである。取得原価を指数で直すだけであれば、分数の計算ができる人であれば誰でもできてしまう。


ただ、実際の案件では、同じ資産を最後に取得してから数年経過していたりと少し応用が必要になってくることが多い。また、大量一括の評価が多い現状では傾向法に頼ることもある程度は仕方がないのも事実である。


とはいえ、やはり【方法1】のように"EXCELの関数に頼りっきり"な処理の仕方は好ましくないのではないか。

 

米国鑑定士協会認定資産評価士(機械・設備)

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