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執筆者の写真Frontier Valuation

評価人はシナリオライターたれ

更新日:2019年3月12日

評価の仕事で何が大切かと考えるとき、シナリオを作れるチカラがそのうちのひとつではないかと思う。

評価の場面はさまざまであり、いろんな目的の評価が存在する。 その中で、適切な評価にたどり着くために大切なのはシナリオを編み出すチカラなのではないかと思う。

評価人が結論として出すのは「価値」である、「価格」ではない。 「価格」は現実の取引などで成立したもの、売り希望、買い希望として提示されたものである。

「価格」は必ずしも「価値」を反映するとは限らない。売り手にとっては「価値」を上回る「価格」で売れれば儲けになるし、買い手は「価値」を下回る「価格」で買うことができればお買い得、またはコストパフォーマンスが良いということになる。

一方で「価格」をあまりに無視した「価値」を提示したのでは、評価を利用する人々の信頼や理解は得られない。

そのあたりの両者の微妙な関係をうまく調整できるのは"評価人のシナリオを編み出すチカラ"なのではないかと思う。 誰が買うのか、誰が売るのか、それはどのくらいの「価格」が予想されるのか、どのような条件の下で売買が成立するまでにどのくらいの時間がかかるのか。そのあたりをリアルに頭の中に思い描き、評価に反映させることができるチカラが求められているように思う。

が、頭の中で考えるのはカンタンでも現実はなかなか難しいものである。

「評価はアートである」と基礎講座の時米国人の講師から教わったが、5年経った今、改めてその言葉の意味の重さを感じるところである。

 

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米国鑑定士協会認定資産評価士(機械・設備)

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