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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

企業会計と評価について講演

更新日:2018年12月7日

以前からお付き合いのある静岡県立大学の上野先生とRIZAP社の「負ののれん」のニュースをきっかけに「のれん」など企業会計に関する評価についてFacebook上でやりとりしているうちに、「今度直接会って意見交換しましょう」となり、さらに先週になって突然、ゼミの学生を交えての講演してほしいということになり、急遽登板と相成った。


講義は今日(12月6日)の午後、静岡県立大学で行われた。今回は「資産評価からみえてくる企業会計の実態:鑑定評価と企業会計の国際化が影響するもの」のタイトルである。準備期間が短く、方向性も今ひとつ見えないところがあったので、ほとんど手探り状態での講演になった。


昨今、会計思考が静態的な会計情報より動態的な会計情報を選好する方向に向かう過程で「時価」に対するニースが高まり、会計と鑑定評価のリンクが求められるようになってきている。 こうした背景から会計と評価という違う世界で働く人々が相互に対話を求められるようになっている。 長期的には評価の世界にいるものとしてどのように他分野の専門家と対話をして行くのかを探っていく研究になると思っている。

評価サイドも企業会計に自ずと関わることになるが、企業会計との関わりといっても評価人は会計の専門家ではない。一方で会計の専門家も評価に深く知悉しているとは限らない。


今回の講演は相互の立場を知る手始めとして今回は評価を行うものの立場として、こちらのアイポイントから企業会計がどう見えているのかを明らかにした上で、今後の論点抽出と研究に役立ててもらうという位置づけである。

今回は取得原価主義の基礎である簿価と時価に何故乖離が起こるのかということを評価アプローチから解説することでほぼ終わった。質疑では学生の方から国際的に統一された評価基準はあるのか、また、評価は誰がやっても同じになるのかという質問を頂いた。これは評価の本質論にも関わる良い質問であり、今後も機会があるとしたらこの辺の意見交換も必要になってきそうだ。

静岡県立大学と言えば、静岡県公立大学法人の顧問を務めている本庶佑先生が2018年ノーベル生理学・医学賞を受賞し、日本時間の11日にストックホルムで行われる授賞式に出られるとのことである。「教科書を疑え」と会見で述べられていたが、専門家も狭い分野の常識に凝り固まるのではなく、他の分野とのダイアログを積極的に行っていく必要があると思っている。


まだまだ、教える立場ではなく、教えられることの方が多い立場である。


 

ASA認定資産評価士(機械設備) 松浦 英泰

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