今世界中で注目されている「トマ・ピケティ」。
彼は1971年生まれの43歳、フランスの経済学者です。
その著書「21世紀の資本」の翻訳本は、6千円くらいの結構なお値段のする専門書にも関わらず、ベストセラーとなり、アマゾンの書評でも大絶賛されています。
曰く「暗黒の未来図」「時代が求めた金字塔」「転機となり得る歴史書」「時代が求めた金字塔的業績」とか、もうブームといって過言ではありません。
しかし、この本は分厚いし、図が多用されており、難しいぜんぜん読み進まない。
そこで現在、「21世紀の資本」の解説本が多数出版され、それもベストセラーとなっています。
そこで今回、敢えてこの解説本を元にまとめてみたいと思います。

ピケティの何がすごいの?項目は3つ。
1.膨大な過去のデータを徹底比較したから新しい。
2.資本主義の根本的な矛盾を指摘したのがスゴイ。
3.累進課税が格差縮小の鍵だ。
1.膨大な過去のデータを徹底比較したから新しい。
・ピケティは、19世紀からの各地方に残る古文書を発掘し、そこから膨大な過去のデータを徹底比較しました。キーワードは「税務資料」。
・結果、人類が経験上そうじゃないかな?と考えられてきたことを歴史的な傾向を読み解こうとしました。
・この膨大過去資料に対して、基本的な主張をくつがえせる専門家が今のところいません。
・大御所の経済学者が「基本的に正しい」と認めている。
2.資本主義の根本的な矛盾を指摘したのがスゴイ。
・「r>g」。これが結論!資本収益率が成長率を上回る!
・つまり、資本主義には格差の拡大化・不平等化傾向があると指摘しています。
・また、階級格差、世代間格差はよりも遺産相続が不平等最大の原因としています。
3.累進課税が格差縮小の鍵だ。
・格差拡大は「避けて通れない!」として上で、もう一つの理由を「21世紀は国家間の税制競争が激化し、税金が高い国から資本は流出、税金の安い国へ資本が集まる」と指摘しています。
・つまり、タックスヘイブンに資産家が集まるということです。
・そこで、より多く稼ぐ者と、より多く資産を持つ者から、より多くの税(累進課税)を取り、社会に再分配すべきと示唆しています。
これがざっくりとした主張となっています。
ここからは私見ですが、理屈は判るが、税金が高いのはかなわんな~。
以上です。
不動産鑑定士 関 敦生
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