面白い記事を見つけたので御紹介したい。
QRコードの普及と「おサイフケータイ」の末路 丸川知雄ニューズウィーク日本版https://www.newsweekjapan.jp/marukawa/2018/02/qr.php?t=0
ご存じの通り、中国ではアリペイやウィーチャットペイのような QRコードを用いた電子決済サービスが定着している。 スマートフォンにQRコードを表示させ、それを読み取ることによって決済が可能となるというものだ。
日本では2000年頃から、SuicaやEdyといったFelicaというICチップを組み込んだカードを使った
電子決済システムが登場し、その後Felicaは携帯電話にも搭載されるようになり、
「おサイフケータイ」という愛称で呼ばれているが、引用のコラムにあるとおり鳴かず飛ばずである。
ハードウエアに多額の投資が必要なフェリカに比べ、ほとんどの携帯電話についている
QRコードを用いた決済システムは初期投資が少なく、手軽に始めることができる。
そういう意味では、もはやFelicaは枯れた技術で陳腐化しているともいえる。
QRコードで同じことができるのであれば、Felicaの導入コストとQRコードの導入コストの差額は
は超過コストということになる。
果たして、そこまで言い切れるか。
このコラムも少し怪しいところがある。 Felicaはおサイフケータイだけではなく、Suicaのようなカードも存在するし、 むしろカードの方が多いのではないか。 このコラムの中に、"東大生にアンケートを採ったところ、96%がおサイフケータイを全く使わない と言う結果になった”とされている。
では、東大生は未だに紙の定期を使って有人改札を通っているかと言えば、おそらくそんなことはないだろう。 パッと見でも東京の自動改札で切符を使うのは少数派である。 JR東日本のモバイルSuicaのページで通学定期券の購入方法をみてみると、これならわざわざ携帯・スマホに搭載する 必要はないと思うだろう。
また、QRコードの信頼性にも問題がある。
先日、JALの国際線を利用した際、インターネットで事前チェックインを済ませて搭乗しようとした。
事前チェックインを済ませるとQRコードがでてくるので、それを搭乗口で読ませれば良い。
その時は同行者が事前チェックインを済ませていなかったので一緒にカウンターに並んで、
チェックインに付き合ったのだが、チェックイン済みであることを告げるとカウンターの係員から
「QRコードを読めないことが多いのでここで搭乗券を出します」と言われた。
QRコードは信頼性がそれほど高くないのでは?と思った次第である。
その点、Felicaの場合はそれほど困ることはない。改札で読めない時はカード自体がダメになっている時で
20年近く、SuicaやEdyを使っているが、今までに二度しか経験はない。
確かにおサイフケータイはフェイドアウトするかもしれない。
実際のところ、使い勝手はイマイチだ。クレジットカードとヒモ付けが前提だし、
モバイルSuicaはJR東日本の自社カードしか使えない。Edyにしても入金が煩わしい。
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結局のところ、QRコードによる電子決済はまだ未知数の部分が多いものの、 QRコードが普及したからといってFelicaの一形態であるおサイフケータイは干されるかもしれないが カード形式のFelica自体は当分市民権を得られるのではないかと思う。
どうもこのコラムはおサイフケータイの衰退が即QRコードの勝利=中国の勝利のように臭わせる 書き方になっているような気がするのである。 部分的には納得できることも多いのであるが、全体としてミスリードの感は否めない。
2018.2.9
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