JIMTOF2024 第32回日本国際工作機械見本市が、2024年11月5日から10日まで、東京・江東区の東京ビッグサイトで開催されています。11月7日に見学に行ってきました。
興味を持っていたのが3Dプリンタでしたが、今回、南棟の1フロアに3Dプリンタをはじめとする先端機械が集められていました。 朝、りんかい線の国際展示場駅を降り、シャトルバスで会場についたのですが、シャトルバスが最初に着いたのが南棟の展示会場でした。
3Dプリンタというと最初の頃は樹脂が主でしたが、最近は金属3Dプリンタも徐々に版図を広げている状況です。 プレゼンを拝見したり何社かのスタッフの方ともお話をしましたが、大変新鮮で、知らなかったこともたくさんありました。 3Dプリンタが拡大しつつあると言っても、やはり従来の切削、鍛造といった手法に比べればまだまだ生産性や信頼性には難があり、どのような加工をするかによっても向き不向きがあるようなので、一気に取って代わるといったものでもなく、3Dプリンタで積層したワークを切削によって仕上げるといった相互補完の関係にもあるので、非常に複雑ではあるのですが、それでも使い方によっては途中の工程が不要になるなどによって劇的に生産性が向上し、意外な業界が影響を受けるということになりそうです。 近年は金属資源の枯渇傾向や供給の不安定化、樹脂の加工技術の向上などによって金属素材で作られていたものが樹脂に代わっていく傾向が続いていますが、3Dプリンタで作った樹脂の型に金属の粉末を押し込んで固め、焼結するという製造方法もあると聞いて驚きました。 一般的には金属の型に樹脂を入れて樹脂製品を製造することはよく知られていて、樹脂は熱に弱いというイメージもあることから逆は考えられないと思うのですが、見事に逆転の発想で、柔軟な発想も必要になるでしょう。 そもそも、3Dプリンタはホビーの分野で先行していた背景もあり、小さなラボでもできることがたくさんありそうな印象で、この先の展開を見守りたいと思います。
前回目立った大型の工作機械は前回ほどではなかったものの、今回も展示されていました。
FANUCのブースでは大型のロボットアームの実演が行われており、その挙動から「巨大蠅たたき」と表現する声も聞こえてきました。
門型のMCやギガキャストと意識した大型のMCなどの展示もありました。ここのところバッテリーEV(BEV)の売れ行きが踊り場に差し掛かっていますが、百年に一度と言われる自動車の生産革命は確実に進んでいます。
その他、IoTなどを駆使した生産現場の見える化についても取り組んでいる企業が多い印象でした。前回JIMTOFで勧誘を受けて受講した「ファクトリーサイエンティスト」もヤマザキマザックのブースでPR中でした。ファクトリーサイエンティスト講座をやってよかったと思うのは、IoTの展示を見たときに理解がしやすい点です。 実務で工場を見ても、近年はIoT技術を活用している生産設備が増えてきました。とはいえ、中にはかなり高額なのに本当に役に立つのか少々疑問に感じるものもあり、ただハードだけを揃えればいいだけではなく日々のオペレーションでしっかり役立てないと無駄な投資(=超過資本コスト)につながります。この辺りは少し気がかりなところでした。 その他、いつもに増して学生向けのPRに各社が力を入れていると感じました。人手不足で工場の省力化ソリューションの展示も多数見られましたが、大手メーカーも含めて新規人材の確保は一層困難になっていくのは間違いありません。 先日2024年上半期の出生数がおよそ33万人で、このペースで行くと年間70万人を下回るペースになるとニュースで報じられていますが、年間100万人割れになったのが8年前ですので、8年で3割減少したことになります。15~20年後にはこれを省力化やIoTでカバーせざるを得なくなりますから、大変なことです。 広大な東京ビッグサイト全体を使って展示が行われましたので、すべてを詳細に見ることはできませんでしたが、全体的な傾向を知ることができました。 特に3Dプリンタについては進化が目覚ましく、最新の製品を見ることもできましたので有益でした。機械設備関係の業務で活用していきたいと考えています。
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