• Hideyasu Matsuura

減損損失の判定における 正味売却可能価額

最終更新: 9月29日

機械設備の減損損失の判定の評価を受任することがあるが、その場合の「正味売却価額」の意義について迷うことが度々ある。 備忘として当方の見解を含めてまとめておきたい。


評価上問題になる点としては

①正味売却可能価額は公正価値か清算価値か? 回収可能価額を正味売却可能価額とした場合、それは公正価値か清算価値かということが問題になる。 指針では「時価とは公正な評価額をいい、通常、それは観察可能な市場価格をいう」としている。したがって公正な評価額というのは公正価値と考えて差し支えない。 ②正味売却可能価額は"売れる価額"であり機械買取業者の提示する額か?

回収可能であることを最重視すれば機械買取業者の提示する価額が確実で固いといえる。その価額で引き取ってくれるならファクトベースだからである。

しかしながら、機械買取業者の買取価額はいわば、仕入れの価格といえる。動産の評価の場合特に注意しなければならないのは取引レベルの問題である。同じ動産の価格でもメーカーが問屋など卸売業者に売却する卸の価額と卸売業者がエンドユーザーに販売する小売の価額は価格帯が異なる。この売手と買手の属性の違いによるマーケットを取引レベルという。勿論、評価の対象物やその特性によりどのレベルで評価すべきかは異なるが、一般的に生産設備の減損評価であれば、エンドユーザー目線の評価の方が妥当である。 ③処分費用見込額の内容と範囲をどのように考えるのか。具体的には売却を想定した場合に撤去費、運搬費用は売手、買手のどちらに帰属するかという問題が起こる。仮に売却を想定した場合で運搬費用は売手負担とすると、どこまでの運賃を見積もるかという問題が起こる。売却を想定するとしてもどこの誰に売却するとまで詳細な想定はなかなか難しい(予め売却先を決めておくのであれば別であるが、減損の場合そこまで想定していることはないどころか、減損発生の秘匿を求めるクライアントもおり精緻な想定は困難な場合が多い)。

日本の場合、中古市場での取引はオープンではないが、現実の取引慣行を勘案してシナリオを想定すること、各アプローチの性質に応じて処分費用見込額減額の要否を判断する必要がある。

​減損損失認識の判定のための時価評価について https://www.frontier-valuation.com/impairmentguide


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