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永久劣後ローン待望論

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による経済低迷とそれによる企業の経営悪化に対処するため「永久劣後ローン」と呼ばれる融資スキームの導入を求める声が一部で高まっている。

 

【新型コロナ】中小企業を救うには「永久劣後ローン」が必要だ|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

https://newswitch.jp/p/22011

 

劣後ローンは、通常のローン(融資)に比べ、倒産時の弁済順位が低いことが特徴である。通常のローンに劣後して弁済を受けられるローンである。

こうしたことから、ハイリスクであり金利は高めになること、他の金融機関からみると自社の債権より弁済順位が低いので「負債」ではなく「資本」としての扱いを受けられるため、劣後ローンがあっても他の金融機関の融資枠が小さくなることはないという効果がある。

いいこと尽くめのように聞こえる劣後ローン。国もCOVID-19関連の経済対策として、第2次補正予算で中堅・大企業向けに最長20年で返済する劣後ローンの予算枠を設けた。これに対し、中小企業の経営者からも同様な措置を求める声が上がりはじめている。

もちろん、劣後ローンにもデメリットはある。 厳格な審査を行わずにローンを乱発した場合、赤字垂れ流し企業にもどんどん資金が注入されてしまうことになり、しかも返さなくても良いのだから貸手が損失を被ることになる。 こうしたことからモラルハザードの問題が生じてくる。審査を厳格にやり、限度額も決めておけばある程度の問題は回避できると思われるが、それでも旧態依然とした企業を生き残らせる恐れがあり、イノベーションを遅らせる原因にもなりかねない。「問題先送り」ということになってしまう。 国が経済対策として中堅・大企業向けに最長20年の劣後ローンを考えているのは、落としどころに上手く落としたというように思える。 別の議論で、日本の国際競争力向上策として賃金アップを求められている。この中で賃金アップを阻んでいるのは中小企業の存在で、企業の統廃合により競争力の強化を目指す方向に政策が転換されつつある。中小企業を永久劣後ローンの対象から外しているのも、中小企業政策との整合性を考えてのことではないかと考えられる。 もちろん、大企業などでも旧態依然とした体質が指摘されることはよくあるから、政策の是非を議論されることになりそうだが、中小企業が劣後ローンの恩恵に浴すことができる可能性は低そうだ。

かねカネ金


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